コラム

トランプ再選後、殺伐とした世界を日本が生き抜くシナリオ

2020年02月04日(火)19時30分

安全保障面では、自主防衛能力をますます充実させ、米軍への思いやり予算を増額するならば見返りに核抑止能力の整備を認めさせることだ。そして中国、韓国とは無用の対立を避けると同時に、ロシア、北朝鮮との関係を強化していく。格差がまだ小さい日本では、欧米のように極端なナショナリズムや社会主義に傾倒して自由と民主主義を失うこともない。

現代は、企業の資金と技術でサプライ・チェーンを世界に築き、多数の国がその分け前で発展していける時代。いずれかの大国が、時代遅れになった「国家」を前面に立てて利益を独り占めせんとするから問題が起こる。人類はこれからロボット、人工知能(AI)を利用して、富を飛躍的に増大できる。「足るを知る」をモットーにして生きていけば、全員が満足できるのだ。さもないと、AIが自習能力をさらに強めたとき、世界平和を妨げる者はほかならぬ人類であることに気付くだろう。

<2020年2月11日号掲載>

【参考記事】「トランプには戦略的、抽象的な思考が欠如している。世界にとって危険なことだ」
【参考記事】日米安保をトランプが破棄しない理由──日米にとって安保は「お得」な条約だ

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2020年2月11日号(2月4日発売)は「私たちが日本の●●を好きな理由【韓国人編】」特集。歌人・タレント/そば職人/DJ/デザイナー/鉄道マニア......。日本のカルチャーに惚れ込んだ韓国人たちの知られざる物語から、日本と韓国を見つめ直す。

プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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