中国マネーを前に色あせる日本外交、プーチンも金正恩もなびかず
そして、これまでのように相手国から具体的案件の要請が来るのを待つばかりではなく、日本側から具体的案件を融資付きで提示する。例えば、工場の建設に完成後の運営請負をパッケージで提示してはどうだろうか。
日本にカネの余裕がないとは言わせない。ODA予算は一般会計では年間約5500億円。さらに円借款はそれとは別枠で、返済金の再貸し出しと金融市場から調達した財政投融資で賄っている。これらを「日本イニシアチブ」に充当すれば、公共事業予算約6兆円の6分の1以下で「日本の顔」を世界に売ることができる。出資先に日本製品の購入といった条件を付けておけば、輸出増大にも使える。
中国のカネの力が増し、何でもありの大競争時代となった今、ODAの枠内でせせこましく考える必要もない。日本の「外交の武器」に根本的な見直しが必要だ。
<本誌2018年7月10日号掲載>
【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>
「またトラ」でウクライナ停戦が成立すれば、北朝鮮兵が平和維持軍に? 2024.11.12
中国経済が失速しても世界経済の底は抜けない 2024.10.22
「焦げたアンパンマン」? 石破首相はワルになれ! 2024.10.08
強権政治家、故フジモリ大統領を礼賛した日本社会のリーダー像 2024.09.26
テレグラムCEOドゥロフは、国境を突き破るIT巨人 2024.09.06
日本にキレるロシアには大人の対応を 2024.08.24
米経済の立て直しには「根本治療」が必要だ 2024.08.01