コラム

「草食性」新入社員に贈る、脱会社型の働き方革命

2018年04月09日(月)10時45分

例えば経団連あたりが旗を振って、大企業での採用には大学での一定以上の平均点数、部活動での幹部経験、起業経験、1年以上の海外留学などを条件としてはどうだろうか。さらに入社後も、能力ややる気のない者は解雇、あるいは配置転換できる体制を整えることだ。

興味深いことに、最近の大企業の苦境や官僚たたきを受け、若い世代に変化が見られる。「一流企業に終身雇用」を目当てに激烈な受験競争の的となってきた東京大学法学部は近年、定員割れを起こしている。当の東大生自身も安定を目指さない。自らスタートアップ企業をつくり、大学周辺はITの聖地シリコンバレーならぬ「本郷バレー」と言われているほどだ。

安倍政権は働き方改革などを試みているが、日本経済という大船の上でのお遊びの域を出ていない。アベノミクスがどうであれ、個人の資質を磨く革命の旗を振ってほしい。

<本誌2018年4月10日号掲載>

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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