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「世界各地で同じことが起こる?」ドイツのクーデター未遂事件が予兆する世界......

ドイツでのクーデターを企てた組織で、「ハインリヒ13世」を名乗る主犯格の1人 Tilman Blasshofer/Reuters
<ゆるいネットワークでつながった陰謀論者たちが武装化して過激になってきている。過去の過激派との違いは深刻であり、従来の方法論では食い止めることのは難しい......>
ドイツのクーデター未遂事件は世界に衝撃を与えた。事件に関して、さまざまな記事や分析が公開されているが、この事件の背景について触れているものは少ないようなので紹介してみたい。この事件は大きな流れの一部であり、長い戦いになることが予想される。
事件のあらまし
2022年12月7日、ドイツでクーデターを計画したとして25人が逮捕された。捜査はドイツを中心にイタリア、オーストリアでも行われ、3,000人以上の特殊部隊、警官が動員され、130(一部報道では150)の施設が捜索された。リーダーはハインリッヒ13世という貴族。作戦の実施は元空挺隊員のリュディガー・フォン・P、AfDの元議員でベルリン地方裁判所の裁判官のビルギット・マルザック・ヴィンクマンなど、現役の軍人、元軍人、特殊部隊が含まれていた。メンバーはディープステートによってドイツが支配されていると信じており、QAnonや右翼過激派ライヒスビュルガー(帝国市民)などの陰謀論を支持していた。
今回のクーデター計画は、カール・ラウターバッハ保健相の誘拐未遂で4月に逮捕された4人の捜査の過程で見つかった。
単発の事件ではない
今回の事件は独立したものではなく、ドイツに広がる反主流派の活動のひとつと考えた方がよさそうだ。これまでのドイツ当局の動きを簡単におさらいしてみたい。
イスラム教のテロリスト対策に注力してきたドイツ当局は、極右過激派の対策も強化してきた。極右過激派が起こした事件としては、2019年の中道左派の地方政治家の殺害や、同年ドイツ東部ハレで起きたシナゴーグへの銃乱射事件などがある。
ドイツ当局の間では、軍や治安機関のメンバーの過激化に対する懸念が高まっている。過激派グループと関係のある捜査で、数人の警察官と軍人が逮捕されたこともある。2020年には、極右過激派が浸透していた特殊部隊の一部を解散した。
コロナ禍では、さまざまな政治的背景を持つ相互に無関係なグループが、国家とその制度に対する拒否感から合体し、政治的暴力を過激化した。2020年8月にはパンデミック規制に反対する一団が「Q」の横断幕を持ち、下院のあるビルに突入しようとして警察に阻まれる事件も起きた。
ドイツはアメリカに次いでQAnon信者の多い国であり、これは反ワクチンやライヒスビュルガー支持者とも重なる。ドイツのNPOであるCeMAS(Center for Monitoring, Analysis, and Strategy)はドイツ語圏でのQAnonの影響力の広がりを受けて、「Q VADIS? The Spread of QAnon in the German-Speaking World」(2022年3月31日)を公開した。拙著『ウクライナ侵攻と情報戦』(扶桑社)から関連する部分を紹介する。
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