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フェイスブックのコンテンツ監視員の職場は「搾取工場」――元監視員が激白
フェイスブックに投稿される膨大な数の暴力コンテンツの監視は今も人間が行っている Dado Ruvic-REUTERS
<幼女虐待、動物虐待、暴力また暴力──毎日、死と苦痛を見続け、クビにならないために不潔なトイレに行くのさえ我慢する。人と人をつなげるフェイスブックの理念はここにも見当たらない>
米国で、米フェイスブックが新たな批判の的になっている。米テック系メディア「バージ」がフロリダ州タンパ市勤務の元フェイスブック・コンテンツ監視員の告発を受け、6月19日、彼らがいかに劣悪な労働環境に置かれているかを報じたのだ。スキャンダルにあえぐフェイスブックに追い打ちをかけるかのように、主流メディアなども一斉に後追い報道に走った。
タンパのオフィスを運営しているのは、フェイスブックからコンテンツ監視業務を委託された米ITサービス大手のコグニザント・テクノロジー・ソリューションズだが、元監視員のメリンダ・ジョンソン氏がバージとのビデオインタビュー(19日付)で語ったところによると、同職場はアメリカにおける「スウェットショップ(搾取工場)」そのものだという。
動物・幼児虐待、児童ポルノ、殺人など、一日に何百本もの投稿動画をチェックし、その有害度や危険性、削除や配信無効の判断を素早く行うコンテンツ監視業務がPTSD(心的外傷後ストレス障害)の発症リスクを高め、つらい仕事であることは、これまでも米メディアが報じてきた。
残酷動画を見過ぎて精神を病む
バージも今年2月、コグニザントが南部アリゾナ州フェニックスで運営するオフィスの過酷な実態をすでに報じている。だが今回は、ジョンソン氏をはじめ、タンパ・オフィス勤務の元監視員3人がコグニザントとの守秘義務契約を破り、自分の言葉で世界に訴えたいと、バージにアプローチ。コグニザントによる不適切な人事管理も含め、「toxic environment=劣悪な環境」(23歳のショーン・スピーグル氏)が当事者の口から生々しく語られたことで、世間に大きな衝撃を与えた。担当記者のケーシー・ニュートン氏もスピーグル氏とともにニュース番組に登場するなど注目を集め、同報道を「賞に値する記事」と評する声もある。
スピーグル氏がバージに語ったところによると、昨秋、コグニザントから解雇された同氏は、世界中から投稿される動物虐待などの動画を見ることで不眠や夜驚症に陥り、現在、PTSDの治療中だという。地面にたたきつけられ鳴き声を上げるイグアナと血の海を見て高笑いする子供たち。斧で顔を切断されるネコ。幼児にマリファナを吸わせる女性たち。マリファナの動画では国内当局への通報に一役買うことができたが、動画の言語の違いなど、さまざまな理由で多くの動画がそのままになっていることに義憤を感じたという。
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