再送-イラク、米政権の要請で親イラン武装組織と武装解除交渉、複数が応じる構え

4月7日 トランプ米政権の高官がイラクに対し、同国の親イラン武装組織の武装解除を要請していたことが分かった。写真は2024年9月、ダマスカスで殺害された武装組織カタイブ・ヒズボラの司令官の葬列。バグダッドで撮影(2025年 ロイター/Thaier Al-Sudani)
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[バグダッド 7日 ロイター] - トランプ米政権の高官がイラクに対し、同国の親イラン武装組織の武装解除を要請していたことが分かった。イラク政府関係者によると、米政権は武装組織への攻撃も辞さない姿勢を示したという。スダニ・イラク首相が武装組織の指導者と交渉し、複数の組織が武装解除する意向を示したとされる。
イラクの親イラン武装組織は、パレスチナ自治区ガザ紛争が始まって以降、イスラム組織ハマスに肩入れしイスラエルへの攻撃を行っている。
米軍がイエメンの親イラン武装組織フーシ派への攻撃を行った直後の3月16日、ヘグセス米国防長官はスダニ首相との電話会談で、武装組織によるイスラエルや米軍基地への報復攻撃阻止を要請したとされる。
イラクの政党連合に近いイスラム教シーア派の有力政治家は、スダニ首相と複数の武装組織の指導者との協議が進展し、各派は米国の武装解除要求に応じる方向にあるとロイターに語った。
ロイターは、武装組織カタイブ・ヒズボラ、ヌジャバー運動、カタイブ・サイード・アル・シュハダ、アンサルラ・アルアウフィヤの司令官に取材した。
シーア派最強の民兵組織カタイブ・ヒズボラの司令官は「トランプはわれわれとの戦争をより悪いレベルにエスカレートさせる用意がある、われわれは、そのような悪いシナリオを避けたい」と語った。
司令官らによると、後ろ盾であるイランの革命防衛隊(IRGC)は、各組織が米国やイスラエルとの破滅的紛争を避けるために必要な決定を下すことを許可したという。
スダニ首相の外交顧問や治安当局者によると、スダニ首相はイラク政府に抵抗し、IRGCやIRGCの特殊部隊コッズ隊に忠誠を誓う全ての武装勢力に武装解除を要求し、国内の全て武器を政府の管理下に置こうと尽力している。すでに1月中旬以降、モスルやアンバルなどの主要都市では、空爆を恐れて本部を事実上撤収するなど、活動を縮小している組織もあるという。
前出のシーア派有力政治家によると、スダニ首相と武装組織はまだ正式合意には至っておらず、武装解除のメカニズムを討議している最中だという。武装組織を政党にすることや、イラク軍に統合することなどが選択肢に上がっているもようだ。
米国務省は、イラク政府には武装組織対策を要請し続けているとし「これらの勢力は、イランではなくイラクの最高司令官に対応しなければならない」と述べた。
IRGCはコメントを拒否した。イランとイスラエルの外務省は問い合わせに応じていない。