トランプ政権、減量薬のメディケア適用見送り バイデン前政権が提案

4月4日、米メディケア・メディケイド・サービスセンターは、糖尿病治療薬を肥満症治療で使う際の保険適用を見送る方針を発表した。デンマークのノボノルディスクの肥満治療薬「ウゴービ」、ロンドンで先月8日撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)
[4日 ロイター] - 米国の公的医療保険制度を担当する政府機関メディケア・メディケイド・サービスセンター(CMS)は4日、糖尿病治療薬を肥満症治療で使う際の保険適用を見送る方針を発表した。
これはデンマーク製薬大手ノボノルディスクの「ウゴービ」などについての判断。バイデン前政権は肥満症治療薬としてメディケアの適用対象にする提案を行ったが、トランプ政権は政策実行を見送った。
メディケアは65歳以上、または障害者向けの政府の医療保険制度。「ウゴービ」などは体重を最大20%減らし、2型糖尿病を予防する効果がある医薬品で、糖尿病などの治療では保険が適用されている。ただ、保険適用されない場合、費用は最大で月額1000ドルに達する。
ケネディ厚生長官は以前、肥満対策は医薬品に頼るのでなく、健康的な食生活を通じて取り組むべきだと発言していた。
ノボノルディスクの広報担当者は「本日の発表は内容が一部に限られたものだ」と指摘し、トランプ政権が肥満の定義を最終的に確定することに期待していると述べた。その上で「CMSの規制は、現代の医学的知見と一致していることが不可欠で、肥満を深刻な慢性疾患として認識する必要がある」と強調した。