南ア中銀、政策金利据え置き 関税や予算巡るリスクを考慮

南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)の金融政策委員会(MPC)は20日、政策金利のレポ金利を7.50%に据え置くことを決定した。2022年11月撮影(2025年 ロイター/Siphiwe Sibeko)
Sfundo Parakozov Kopano Gumbi Alexander Winning
[プレトリア 20日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)の金融政策委員会(MPC)は20日、政策金利のレポ金利を7.50%に据え置くことを決定した。前回まで3回連続で利下げを決定していた。ロイターがまとめた市場予想と一致した。
インフレは抑制されているものの、米政権の関税措置や、南アの予算を巡るこう着状況などに起因するリスクを見極める必要があるとして、利下げサイクルを一時停止した。4人の政策委員が据え置きを支持し、2人は25ベーシスポイント(bp)の引き下げを主張した。
クガニャゴ総裁は記者会見で「世界経済は安定していない。国内にも不透明感があり、慎重なアプローチが必要だ」と述べた。
市場関係者には今回の据え置き決定を評価する声がある一方、通貨ランドが安定し、インフレが落ち着いている状況を踏まえると、利下げが可能だったとの見方もある。
予算案には付加価値税(VAT)の税率引き上げ案が含まれ、インフレの上振れリスクになるとみられる。2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で3.2%上昇と、伸び率は1月から変わらず、中銀の目標3─6%の下限付近で推移している。
中銀は25年の経済成長率見通しを1.7%と、従来の1.8%から引き下げた。
南アの土地収用法などを巡ってトランプ米政権との関係は悪化しているものの、ランドは今年に入って米ドルに対して3%以上、上昇している。