不利な判決出す裁判所に「最高裁が対応を」、米政権 司法攻撃強める

米ホワイトハウスのレビット報道官は19日、トランプ政権の政策を差し止める連邦裁判所の判事を「アクティビスト」と非難し、連邦最高裁(写真)がそうした判事を統制すべきとの認識を示した。2024年6月撮影(2025年 ロイター/Kevin Mohatt)
Steve Holland Nandita Bose
[ワシントン 19日 ロイター] - 米ホワイトハウスのレビット報道官は19日、トランプ政権の政策を差し止める連邦裁判所の判事を「アクティビスト」と非難し、連邦最高裁がそうした判事を統制すべきとの認識を示した。トランプ大統領や政権幹部は、不利な判決を下す裁判所への攻撃を強めている。
レビット報道官は会見で、「誤った行動をする」判事に対しては最高裁が措置を取るべきだと指摘。
「党派的なアクティビストとして行動する判事」が大統領の政策に影響を及ぼし政策を遅らせようとしており容認できないと述べた。
トランプ政権は「敵性外国人法」に基づき犯罪組織メンバーの国外送還を、地裁の一時差し止め判断にもかかわらず実施した。トランプ氏は差し止めを命じた地裁判事を「弾劾すべき」と主張。これに対し、最高裁のロバーツ長官が「適切でない」と異例の反論をする事態となっている。
政権内では、政策執行に立ちはだかる裁判所への不満が渦巻く。政府効率化省を率いる実業家イーロン・マスク氏は、トランスジェンダーの軍役を禁じる大統領令の一時差し止め判決を「司法によるクーデターだ」と批判し、議会に判事の弾劾を要求した。
判事を解任するには、判事弾劾訴追案を下院で単純多数決での可決、上院では3分の2以上の賛成を必要とする。
ジョンソン下院議長(共和党)の報道官は「司法委員会が憲法の下でこの緊急事態に対処するために利用可能な全ての選択肢を検討するのに協力できることを(ジョンソン氏は)楽しみにしている」と述べた。
ジョーダン下院司法委員長の報道官は「あらゆる選択肢が検討されている」と述べた。