英中銀、2会合ぶり据え置き 内外の不確実性「会合ごとに分析」

イングランド銀行(英中銀)(写真)は20日、政策金利を4.5%に据え置いた。2月撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)
[ロンドン 20日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)は20日、政策金利を4.5%に据え置いた。据え置きは2会合ぶり。米国の関税政策が原因で貿易を巡る緊張が高まり、国内外の経済に高度の不確実性があると指摘し、今後、会合ごとに状況を分析し政策を決定する方針を示した。
政策金利の据え置きは8対1で決定。ディングラ委員が0.25%利下げを主張した。ロイターのエコノミスト調査では7対2での据え置き決定を予想していた。
ベイリー中銀総裁は声明で「現在、経済に多大な不確実性がある」と表明。金利は徐々に低下傾向をたどるとの見方は変えていないが、6週間ごとの政策決定会合ごとに「世界経済と国内経済の動向を非常に注意深く見ていく」と述べた。
金融政策委員会は、インフレ圧力が緩和し続けると予想するものの「今後数回の会合で、金融政策が予め定められた道筋をたどるという前提はない」と述べた。
ベイリー氏は会合後、物価圧力が和らいでいることを示す「証拠を蓄積する必要がある」とし、「その証拠が明らかになるまで待つ必要がある」と語った。
金融政策委員会は、追加利下げについて2月と同様「段階的かつ慎重なアプローチ」を取るとした。
次回会合は5月8日に開催される。市場が織り込む5月の利下げ確率は50%を下回る。また、市場の年内利下げ幅予想は0.44%ポイント(0.25%ポイントの利下げ2回未満)と、この日の英中銀会合前の0.5%ポイント強から低下した。
米国の関税発動発表を受け、報復措置を取る国が出るなど、世界貿易政策の不確実性が高まっていると指摘。「他の地政学上の不確実性も高まっている」とし、ドイツの財政政策転換に言及した。
今年のインフレ率のピークの予測は第3・四半期で3.75%とし、2月予想の3.7%から若干上方修正した。
第1・四半期の成長率については、前期比でプラス0.1%からプラス0.25%に引き上げた。
JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルマーケットアナリスト、ザラ・ノークス氏は「英中銀はインフレ圧力が高まる一方で成長見通しは弱いという、板挟みの状態にある」と指摘。景況感などのデータが軟調であっても、それが実際の経済指標に反映されると想定するのは危険であるため、今後も引き続きインフレの脅威に焦点を当てる必要があると述べた。