ニュース速報
ビジネス

英中銀、2会合ぶり据え置き 内外の不確実性「会合ごとに分析」

2025年03月21日(金)04時28分

 イングランド銀行(英中銀)(写真)は20日、政策金利を4.5%に据え置いた。2月撮影(2025年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 20日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)は20日、政策金利を4.5%に据え置いた。据え置きは2会合ぶり。米国の関税政策が原因で貿易を巡る緊張が高まり、国内外の経済に高度の不確実性があると指摘し、今後、会合ごとに状況を分析し政策を決定する方針を示した。

政策金利の据え置きは8対1で決定。ディングラ委員が0.25%利下げを主張した。ロイターのエコノミスト調査では7対2での据え置き決定を予想していた。

ベイリー中銀総裁は声明で「現在、経済に多大な不確実性がある」と表明。金利は徐々に低下傾向をたどるとの見方は変えていないが、6週間ごとの政策決定会合ごとに「世界経済と国内経済の動向を非常に注意深く見ていく」と述べた。

金融政策委員会は、インフレ圧力が緩和し続けると予想するものの「今後数回の会合で、金融政策が予め定められた道筋をたどるという前提はない」と述べた。

ベイリー氏は会合後、物価圧力が和らいでいることを示す「証拠を蓄積する必要がある」とし、「その証拠が明らかになるまで待つ必要がある」と語った。

金融政策委員会は、追加利下げについて2月と同様「段階的かつ慎重なアプローチ」を取るとした。

次回会合は5月8日に開催される。市場が織り込む5月の利下げ確率は50%を下回る。また、市場の年内利下げ幅予想は0.44%ポイント(0.25%ポイントの利下げ2回未満)と、この日の英中銀会合前の0.5%ポイント強から低下した。

米国の関税発動発表を受け、報復措置を取る国が出るなど、世界貿易政策の不確実性が高まっていると指摘。「他の地政学上の不確実性も高まっている」とし、ドイツの財政政策転換に言及した。

今年のインフレ率のピークの予測は第3・四半期で3.75%とし、2月予想の3.7%から若干上方修正した。

第1・四半期の成長率については、前期比でプラス0.1%からプラス0.25%に引き上げた。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルマーケットアナリスト、ザラ・ノークス氏は「英中銀はインフレ圧力が高まる一方で成長見通しは弱いという、板挟みの状態にある」と指摘。景況感などのデータが軟調であっても、それが実際の経済指標に反映されると想定するのは危険であるため、今後も引き続きインフレの脅威に焦点を当てる必要があると述べた。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

KBN3FX2AI

ビジネス

3月ロイター企業調査:「変更なし」が77%、多様性

ワールド

トルコ各地で抗議デモ、イスタンブール市長拘束に反発

ワールド

ロシア、国際安保会議に米を招待へ=ショイグ安全保障
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2025年の大谷翔平
特集:2025年の大谷翔平
2025年3月25日号(3/18発売)

連覇を目指し、初の東京ドーム開幕戦に臨むドジャース。「二刀流」復帰の大谷とチームをアメリカはこうみる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャース・ロバーツ監督が大絶賛、西麻布の焼肉店はどんな店?
  • 4
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 5
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 6
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 7
    医師の常識──風邪は薬で治らない? 咳を和らげるスー…
  • 8
    ローマ人は「鉛汚染」でIQを低下させてしまった...考…
  • 9
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 10
    DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研究】
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    「若者は使えない」「社会人はムリ」...アメリカでZ…
  • 6
    失墜テスラにダブルパンチ...販売不振に続く「保険料…
  • 7
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 8
    「気づいたら仰向けに倒れてた...」これが音響兵器「…
  • 9
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 10
    自分を追い抜いた選手の頭を「バトンで殴打」...起訴…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 10
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中