インタビュー:シリア暫定大統領、前政権支持派殺害は国家統一の脅威

3月10日、シリア暫定政府を主導するシャラア(通称ジャウラニ)暫定大統領は、治安部隊との衝突でアサド前大統領支持派が大量に殺害されたことは国家統一という自身の使命に対する脅威だと述べ、必要であれば自身の側近を含め責任を負う者を処罰すると表明した。写真は3月10日、シリアのダマスカスで撮影(2025年 ロイター/Khalil Ashawi)
Samia Nakhoul Maya Gebeily Timour Azhari
[10日 ロイター] - シリア暫定政府を主導するシャラア(通称ジャウラニ)暫定大統領は、治安部隊との衝突でアサド前大統領支持派が大量に殺害されたことは国家統一という自身の使命に対する脅威だと述べ、必要であれば自身の側近を含め責任を負う者を処罰すると表明した。
西部の湾岸都市で6日発生した治安部隊と、アサド前大統領を支持してきたイスラム教シーア派の一派「アラウィ派」の4日間にわたる衝突では多数の死者が出た。
ジャウラニ氏は首都ダマスカスの大統領官邸でロイターのインタビューに応じ、外国勢力の後ろ盾を受ける前政権支持派による攻撃がきっかけになったと非難する一方、その後に報復の殺害行為が起きたことを認めた。
「シリアは法治国家だ。全ての者に法が適用される」とし、「われわれは抑圧された人々を守るために戦った。不当な流血を容認しない。最側近でさえ、処罰や説明責任を逃れることは認めない」と述べた。
ジャウラニ氏は、衝突で治安部隊員200人が死亡したと述べたが、9日に発表された独立委員会が調査中であることから全体の死者数には言及しなかった。
英国を拠点とするシリア人権監視団によると、衝突によりアラウィ派の戦闘員250人以上、治安部隊員230人以上が死亡。その後の報復攻撃により、9日夜の時点でアラウィ派の民間人973人が殺害されたという。
ジャウラニ氏はまた、トランプ米政権とはまだ接触していないことを明らかにした上で、アサド政権時代に科された制裁を解除するよう米国に改めて求めた。