IEA事務局長、油田・ガス田への投資を主張 トランプ氏に同調

3月10日、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長(写真)は、世界のエネルギー安全保障を支援するため油田とガス田への投資が必要だと訴え、石油やガスの掘削を推進するトランプ米大統領に歩調を合わせた。写真はフランスのパリで2023年12月撮影(2025 ロイター/Sarah Meyssonnier)
Timothy Gardner
[ヒューストン 10日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は10日、世界のエネルギー安全保障を支援するため油田とガス田への投資が必要だと訴え、石油やガスの掘削を推進するトランプ米大統領に歩調を合わせた
ヒューストンで開かれたエネルギー業界の国際会議「CERAウィーク」で語った。
ビロル氏は「私が明確にしたいのは、特に既存油田・ガス田向けの落ち込みに対処するため、投資が必要になることだ」と述べ、「石油・ガスの上流部門への投資が必要だ」と付け加えた。
IEAは2021年、気候変動に対処するため今世紀半ばまでに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするには、企業は新規の石炭、石油、ガスのプロジェクトに投資すべきではないと表明。石油・ガスの新規プロジェクトを立ち上げないようにする措置を提案した。
こうしたクリーンエネルギー政策重視へ向けた近年のIEAの動きに、トランプ氏と米共和党議員は反発。化石燃料の推進論者はIEAに方針転換を迫っていた。
ビロル氏は同会議で、化石燃料は世界のエネルギー需要を満たすのに重要であるため、既存の油田とガス田へ十分な投資が行われない事態は問題だと強調。世界の石油・ガスへの投資総額4000億ドルのうち3600億ドル程度は既存の油田・ガス田の落ち込みの埋め合わせに充当されていると説明した。