ロシア軍、クルスク州で3集落奪還 ウクライナ軍排除へ包囲か

　３月９日、ロシア軍は、西部クルスク州スジャ近郊で新たに３つの集落を奪還した。写真はウクライナ軍兵士。スジャで２０２４年８月撮影（２０２５年　ロイター/Yan Dobronosov）

Guy Faulconbridge　Felix Light

[モスクワ ９日 ロイター] - ロシア軍は９日、西部クルスク州スジャ近郊で新たに３つの集落を奪還した。国防省が発表した。昨年に越境攻撃を仕掛けたウクライナ軍を同州から排除する作戦の一環。

国防総省は声明で「ロシア軍はクルスク州でウクライナ軍のグループを撃退し続けている」とした。

ロシアの軍事ブロガーらはこれより先、ロシアの特殊部隊がウクライナ軍を奇襲するため、スジャ近郊のガスパイプラインを通って何キロも前進したと投稿していた。ウクライナと米国が和平の可能性について協議するのを前に、クルスクのウクライナ軍を孤立させる狙いとみられる。

ウクライナ軍は昨年８月、ロシア軍をウクライナ東部から移動させるとともに、将来の交渉を優位に進めるためとして、クルスク州に越境攻撃し、約１３００平方キロを制圧した。

だが、ロシアは同地域の支配権奪還に向けた動きを強め、ここ数日で一定の成果を上げている。ロシア軍の急速な進撃により、７日時点のオープンソースの地図ではクルスクのウクライナ軍部隊がほぼ包囲されていることが示された。

ロシアのメドベージェフ前大統領は「煙を上げる大釜の蓋はほぼ閉まった」と投稿し、包囲がほぼ完了したと示唆。「攻撃は続く」と述べた。