英ロンドンの大気質、排ガス規制区域拡大で改善=市長室

英首都ロンドンの有毒の二酸化窒素排出量が、2024年9月までの1年で27%減少した。23年に大気汚染対策として排ガス基準を満たさずに流入する自動車に通行料を課す「超低排出ゾーン(ULEZ)」を拡大したことが背景にある。市長室が3月7日発表した報告書で明らかになった。ロンドンで2024年9月撮影(2025年 ロイター/Jaimi Joy)
Sam Tabahriti
[ロンドン 7日 ロイター] - 英首都ロンドンの有毒の二酸化窒素排出量が、2024年9月までの1年で27%減少した。23年に大気汚染対策として排ガス基準を満たさずに流入する自動車に通行料を課す「超低排出ゾーン(ULEZ)」を拡大したことが背景にある。市長室が7日発表した報告書で明らかになった。
ULEZは19年、カーン市長が自動車の排ガス削減対策として初めて導入し、23年8月に規制区域が拡大された。排ガス基準を満たさない古い自動車を運転する人々を対象に1日当たり12.50ポンド(16.14ドル)の通行料を課す。拡大により、対象者がさらに500万人増えた。
二酸化窒素は、自動車のエンジンが燃料を燃焼する際に排出されるガスから生成される有毒ガスで、ぜんそく発症の原因となり、子どもの肺の発育を遅らせるとともに肺がんのリスクを高める可能性がある。
カーン氏は「ULEZを拡大する決定は軽々しく下したものではないが、この報告書は、これがすべてのロンドン市民の健康にとって正しい判断だったことを示している」と表明した。