カナダ、鉱物資源探査の税額控除を2年延長
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カナダのウィルキンソン天然資源相は2日、今月31日に終了予定だった鉱物資源探査に関する税額控除を2年延長すると明らかにした。資料写真、1月撮影(2025年 ロイター/Blair Gable)
Divya Rajagopal
[2日 ロイター] - カナダのウィルキンソン天然資源相は2日、今月31日に終了予定だった鉱物資源探査に関する税額控除を2年延長すると明らかにした。鉱物とエネルギー、天然資源への投資を支援する一環となる。
鉱物資源探査への税額控除には、中小探鉱会社へのフロースルー株式(FTS)への投資にかかる税額を15%控除する制度も含まれている。ウィルキンソン氏は今回の延長について、鉱業部門が探査プロジェクトのための資金を調達する手段を確保するためだと説明した。
今回の措置は、中国に代わる資金源をカナダの探鉱会社に提供する狙いもある。カナダは中国国有企業によるカナダの鉱業会社への投資に厳しい姿勢を保っており、少なくとも5社に対して中国国有企業によるカナダ上場企業への投資資産を売却するように求めた。
ウィルキンソン氏はインタビューで「(鉱業)部門の一部、特にジュニア(小規模の探鉱会社)には更新されるかどうかに一定の懸念があった」と説明。今回の延長により、鉱物資源探査への投資を支援するために1億1000万カナダドル(7605万米ドル)が拠出される見込みだと明らかにした。
探鉱会社は、トランプ米大統領がカナダからの輸入品の大部分に25%の関税を課すと脅している米国との貿易戦争の可能性に備えている。また、中国による重要鉱物の輸出規制強化にも注目している。
ウィルキンソン氏は、カナダはゲルマニウムやガリウムのような重要鉱物を米国へ確実に供給することで互恵的なパートナーシップを築いていると主張。その上で「中国は米国に対して大量に供給してきたが、米国への輸出を禁止した重要鉱物の中にはカナダが保有しているものがある」とし、米当局はカナダとどのように協力できるのかを話し合った方がはるかに良いとの考えを示した。
トランプ氏がカナダからの輸入品に関税をかける場合に備えて、カナダは米国からの輸入品に報復関税を課す準備をしている。