仏英、1カ月のウクライナ部分停戦を提案とマクロン氏 地上戦除く
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フランスのマクロン大統領は3月2日、ロシアとウクライナの紛争を巡り、英仏が1カ月間の部分的な停戦を提案していると仏紙フィガロに明らかにした。同日、ロンドンで代表撮影(2025年 ロイター)
[パリ 3日 ロイター] - フランスのマクロン大統領とバロ外相は、英仏が1カ月間の部分的な停戦を提案していると明らかにした。空・海とエネルギーインフラへの攻撃が対象になり、地上での戦闘は含まないとしている。
バロ氏は3日「空・海とエネルギーインフラへの攻撃を停止すれば、ロシアのプーチン大統領が停戦に合意した際に誠意を持って行動しているかどうか判断できる。その時こそ真の和平交渉が始まる可能性がある」と述べた。
マクロン氏は2日に仏紙フィガロに掲載されたインタビューで、英仏の提案では欧州地上部隊をウクライナに派遣するのは第2段階になるとし、「今後数週間内に欧州部隊がウクライナに駐留することはない」と言明した。
「問題はいかにこの時間を使って停戦を実現するかであり、交渉には数週間を要するだろう。和平合意が締結されれば、部隊派遣となる」と説明した。
同氏は前線がパリからブダペストまでの距離に相当すると指摘し、前線での停戦順守状況を確認するのは非常に難しいと述べた。
マクロン氏はフランスや他の欧州諸国が国防費を対国内総生産(GDP)比3─3.5%程度に増額する必要があるとの考えも示した。
欧州の外交筋は停戦の監視について、北大西洋条約機構(NATO)の指揮下で行われ、十分な規模の迎撃ミサイル、パトリオットシステム、長距離ミサイル、航空戦力があれば可能だが、ウクライナはこれらを保有していないと指摘した。さらに、「ロシアが大規模な攻撃を行わないようロシアと交渉する必要がある」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領はロンドンで、この計画を承知しているか記者団から問われ、「全て知っている」と応じた。
英国のポラード国防担当閣外相は月曜日、マクロン、バロ両氏が表明した構想について、「現在われわれが認めている計画ではない」と距離を置いた。
「確かに英国、フランス、同盟国の間で非公式にさまざまな選択肢が話し合われている。現時点ではそれぞれの選択肢についてコメントするのは適切ではないだろう」とBBCに語った。