イスラエル、ガザ援助物資の搬入停止 停戦巡りハマスと対立
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3月2日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意を巡って双方が対立する中、イスラエルは、ガザへの援助物資の搬入を停止した。写真はガザで物資を運ぶトラック。2月16日撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)
[エルサレム/カイロ 2日 ロイター] - パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの停戦合意を巡って双方が対立する中、イスラエルは2日、ガザへの援助物資の搬入を停止した。イスラエルのネタニヤフ首相は「イスラエルは人質の解放なくして停戦を認めない」とし、「もしもハマスが拒否を続ければ、さらに重大な結果を招くだろう」とけん制した。
これに対してハマスは「脅迫だ」と反発し、「合意に対するあからさまなクーデターだ」と非難。エジプトとカタールによる仲介を求めた。
一方、ネタニヤフ首相はトランプ米政権のウィトコフ中東担当特使の提案を受け入れると発表した。提案で合意すれば今月31日ごろのイスラム教のラマダン(断食月)から、4月20日前後に終わるユダヤ教の祭りにかけては停戦を維持する。停戦は、ハマスが生死不明のイスラエル人人質の半数を初日に解放し、残りの人質は停戦終了時までに解放することが条件となる。
ハマスは当初計画していた通り停戦の「第2段階」へ移行することを主張して停戦の一時的延長を拒否。ハマスの高官は中東の衛星テレビ局アルジャジーラに対し、ハマスが残りのイスラエル人人質を解放するのは当初合意されていた条件に限られると主張した。
当初の合意では停戦の第2段階に入り、ハマスが残る59人のイスラエル人人質を解放する一方、イスラエル軍はガザから完全撤退し、戦闘終結の交渉開始が予定されていた。
しかし、交渉は始まっておらず、イスラエルは戦闘停止には人質の全員解放を条件としている。
これに対し、ハマスはイスラエルが人質を取り戻す唯一の方法は合意を順守して第2段階の協議を開始することだと主張している。
ハマス幹部サミ・アブ・ズーリ氏はロイターに対し、イスラエルがガザへの援助物資の搬入を停止したことは停戦協議に影響するだろうとして「私たちは圧力に屈しない」と訴えた。
イスラエル当局者は2日、代表団をカイロへ派遣し、緊張の緩和と停戦を確実に保つ方法について話し合うと発表した。