ニュース速報
ワールド

トランプ氏、つなぎ予算案に反対表明 政府閉鎖リスク高まる

2024年12月19日(木)12時30分

トランプ次期米大統領は12月18日、議会指導部が前日発表した来年3月までの政府予算を手当てするつなぎ予算案に反対するよう議員らに促した。1月18日、ワシントンで撮影(2024年 ロイター/Leah Millis)

Richard Cowan Katharine Jackson Andy Sullivan Jeff Mason Bo Erickson

[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ次期米大統領は18日、議会指導部が前日発表した来年3月までの政府予算を手当てするつなぎ予算案に反対するよう議員らに促した。現行のつなぎ予算の期限が20日に迫る中、議会の対応が遅れて政府機関が一部閉鎖される可能性が高まった。

つなぎ予算は連邦予算を現在の水準に維持し、災害救援に1000億ドル、農家支援に100億ドルを充てる内容。このほか、議員報酬の引き上げなども盛り込まれている。

トランプ氏は法案を一時的な支出と災害救援に限定するべきだとし、連邦債務上限の引き上げも求めた。

今回の案に賛成する共和党議員は再選が難しくなる可能性があるとも警告。「そんなことをするような愚かな共和党議員には、予備選挙で対立候補を擁立すべきだし、擁立するだろう」と投稿した。

政府機関の閉鎖となれば、トランプ氏が大統領1期目任期中の2018年12月から19年にかけて続いた時以来となる。

トランプ氏はつなぎ予算案について、急速に支持を失いつつあるとの見方を示した。

「極めて高額でばかげた」つなぎ予算案が「急速に死にかけているようだ」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿。その上で、民主党が債務上限を停止するか、大幅に引き上げない限り、つなぎ予算案に最後まで反対するとした。

<議会の対応は不透明>

議会の今後の対応は不透明。法案の可決には超党派の合意が必要になる。

下院共和党議員は18日遅く、次の行動を決定するためジョンソン下院議長のオフィスに集まった。

ケビン・ハーン議員は議長オフィス前で記者団に対し「議長は票を集めようとしたが、必要な票が集まらなかった。そしてソーシャルメディア上で起こったことを目にして多くの人が考え直した。そして今、われわれは再調整しなければならない」と語った。

トランプ次期政権で歳出削減を主導する実業家イーロン・マスク氏も、議会に法案を可決しないよう圧力をかけた。

ただ、議会が21日よりも前に行動を起こさなければ、国防総省や米航空宇宙局(NASA)のようなマスク氏の会社と取引のある機関を含め、幅広い政府サービスが中断されることになる。

民主党は、トランプ氏の発言は混乱の前兆だと指摘する。「下院共和党は政府を閉鎖するよう指示された。彼らが支持すると主張する労働者階級の国民に苦痛を与えることになる。超党派の合意を破れば、その結果に対して責任を負うことになる」と、民主党下院トップのジェフリーズ院内総務はソーシャルメディアに投稿した。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・ウクライナ高官、サウジで協議 米報道官「前向き

ビジネス

米1月求人件数、23万件増 解雇減も今後の労働需要

ワールド

モスクワに過去最大の無人機攻撃、3人死亡 航空機の

ワールド

英、報復措置見送る見通し 米の鉄鋼・アルミ関税に対
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 3
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 4
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 5
    スイスで「駅弁」が完売! 欧州で日常になった日本食、…
  • 6
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 7
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 8
    トランプ=マスク独裁は許さない── 米政界左派の重鎮…
  • 9
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 10
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題に...「まさに庶民のマーサ・スチュアート!」
  • 4
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 7
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 8
    「コメが消えた」の大間違い...「買い占め」ではない…
  • 9
    著名投資家ウォーレン・バフェット、関税は「戦争行…
  • 10
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 8
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 9
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チー…
  • 10
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中