中国の景気刺激策、改革と並行して行うべき=中銀元当局者
10月30日、中国人民銀行の元当局者である劉世進氏(写真)は、中国の景気刺激策にはコストがかかる可能性があり、持続可能な経済成長の達成には改革と並行して行う必要があるとの見方を示した。写真は2019年3月、北京で撮影(2024年 ロイター/Thomas Peter)
[北京 30日 ロイター] - 中国人民銀行の元当局者である劉世進氏は、中国の景気刺激策にはコストがかかる可能性があり、持続可能な経済成長の達成には改革と並行して行う必要があるとの見方を示した。
3億人の国内出稼ぎ労働者のための基本的な医療サービスの改善を優先させるべきだとも述べた。29日に行われたフォーラムでの同氏の発言を国内メディアが報じた。
ロイターは29日、中国が隠れた地方債務の問題に取り組み、遊休地を買い戻し、大規模な住宅在庫を減らす資金を提供するため、来週10兆元(1.4兆ドル)以上の新規債券発行を承認することを検討していると報じた。アナリストは、このような取り組みは、市場が切望しているような即効性のある成長促進策ではなく、経済の安定剤になると見込んでいる。
中国は、過去の景気刺激策による債務超過への対応に苦慮している。2008年から09年にかけて4兆元を投じた景気刺激策は中国経済を世界金融危機から救ったが、地方政府は山のような負債を抱えた。
国営メディアによると、劉氏は先月、中国は2年以内に超長期国債を発行し、少なくとも10兆元相当の景気刺激策を生み出すことができると述べた。