スペイン首相、続投決まる 4カ月の政局膠着に終止符

スペイン下院(定数350議席)は16日、サンチェス首相の信任投票を実施し、賛成179票・反対171票で首相の続投が決まった。7月23日に行われた総選挙以来、新政権樹立は膠着していたが、ようやく終止符が打たれた。写真は11月16日、続投が決まり議会で拍手するスペインのサンチェス首相(2023年 ロイター/Susana Vera)
Belén Carreño Emma Pinedo
[マドリード 16日 ロイター] - スペイン下院(定数350議席)は16日、サンチェス首相の信任投票を実施し、賛成179票・反対171票で首相の続投が決まった。7月23日に行われた総選挙以来、新政権樹立は膠着していたが、ようやく終止符が打たれた。
サンチェス氏が率いる社会労働党(PSOE)は、支持獲得に向けて争点となっているカタルーニャ自治州の分離・独立派に対する恩赦などを巡り多くの地域政党と個別に合意に達した。
ドイツのショルツ首相は、短文投稿サイト「X」(旧ツイッター)でサンチェス氏を祝福し、「引き続き協力できることは好ましい」とした。サンチェス氏とは「世界の多くの課題を捉える視点が非常に似ている」と説明した。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長はEUが直面する重要な課題に協力して取り組むことを楽しみにしているとコメント。ウクライナのゼレンスキー大統領も祝意を送った。
一方、カタルーニャのスペインからの独立を試みた罪に問われている政治家や活動家に恩赦を与える法律に対しては有権者の多くが反発し、マドリードにあるPSOE本部前に約4000人が集まり、14夜連続で抗議デモが行われた。デモ隊の一部が警察やメディア関係者にビール缶や爆竹などを投げたため、一時騒然となった。
マドリードに本部を置くシンクタンク、シンキング・ヘッズによると、サンチェス首相は重要法案を可決させるため、引き続き地域政党に依存することになる。