ボーイングの中国納入予定機、米生産拠点に戻る トランプ関税影響か

4月19日、米航空機大手ボーイングが中国の厦門(アモイ)航空に納入を予定していた「737MAX」(写真)が、ボーイングのシアトルにある生産拠点に戻った。写真は同日、シアトルのキング郡国際空港で撮影(2025年 ロイター/Dan Catchpole)
[シアトル 19日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングが中国の厦門(アモイ)航空に納入を予定していた「737MAX」が19日、ボーイングのシアトルにある生産拠点に戻った。トランプ大統領の関税政策により米中の貿易戦争が激しくなっていることが背景にある。
中国の舟山にあるボーイングの完成センターに置かれていたこの航空機は、最後の仕上げを行った後、厦門航空に引き渡されることになっていた。
トランプ氏による関税措置の報復として、中国政府は米国からの輸入品に対する上乗せ関税125%を賦課したため、中国の航空会社にとってはコストが飛躍的に上昇する。
ボーイングと厦門航空のどちらが航空機を戻す決定を下したかは不明。いずれもコメント要請に今のところ応じていない。
関税率の変更を巡る混乱により、多くの航空機納入が不安定な状況に置かれる可能性がある。アナリストは、関税を支払うくらいなら航空機の納入を遅らせるとする航空会社の最高経営責任者(CEO)もいると指摘した。