トランプ氏「時には薬飲む必要」、関税で世界同時株安も強気姿勢

トランプ米大統領は4月6日、市場について記者団から問われたのに対し、時には薬を飲まなければならないと述べた。同日、メリーランド州のアンドリュース空軍基地で撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)
Trevor Hunnicutt
[米大統領専用機 6日 ロイター] - トランプ米大統領は6日、市場下落について記者団から問われ、時には薬を飲まなければならないと述べた。また、意図的に相場急落を引き起こしているわけではないとした。
7日のアジア株は取引開始から急落し、米国株式市場の先物指数も大幅に下落している。投資家はトランプ氏が先週発表した関税が価格上昇や需要減退を引き起こし、世界的な景気後退につながる恐れがあると懸念している。
トランプ氏は週末のゴルフからワシントンに戻る大統領専用機で、世界の株式市場から数兆ドルが消失したことを心配していないという考えを示し、「何も下がってほしくないが、何かを直すためには薬を飲まなければならないこともある」と指摘。「われわれは他国からひどい扱いを受けてきた。それを許した愚かな指導者がいたためだ」と主張した。
関税計画を撤回する姿勢は見せず、「市場に何が起こるかは言えない。しかし、わが国ははるかに強い」と述べた。
中国については、貿易赤字が解決しない限り取引はしないと言明。また、政権が発表した関税について欧州やアジアの首脳と話し合ったとし、「彼らは合意を結びたがっている」と語った。
ベッセント財務長官はNBCテレビの「ミート・ザ・プレス」で、2日の関税発表後、50カ国以上が米国と交渉を開始し、トランプ氏が優位な立場に立ったと指摘。「(トランプ氏は)自身に最大限の交渉力を与えた」と語った。
また、ラトニック商務長官はCBSニュースで、関税は「数日から数週間」維持されると述べた。
米国家経済会議(NEC)のハセット委員長は、関税が金融市場を下落させて米連邦準備理事会(FRB)に利下げを迫るトランプ氏の戦略の一環との見方を否定し、FRBに政治的圧力はかけないと強調した。
JPモルガンのエコノミストらは、関税の影響で今年の米国内総生産(GDP)が従来見通しの1.3%増から0.3%縮小するほか、失業率は現在の4.2%から5.3%に悪化すると予想している。