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米ハイテク・小売株が大幅安、トランプ関税でコスト増大の懸念

2025年04月04日(金)02時05分

3日の米株式市場で、大型ハイテク株や小売大手などの銘柄が売り込まれ、世界株安を主導している。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[3日 ロイター] - 3日の米株式市場で、大型ハイテク株や小売大手などの銘柄が売り込まれ、世界株安を主導している。トランプ大統領が発表した貿易相手国に対する相互関税によって幅広い産業でコスト増大懸念が強まっていることが背景。

トランプ大統領は2日、相互関税を発表。全ての輸入品に一律10%の基本関税を課した上で、各国の関税や非関税障壁を考慮し、国・地域別に税率を上乗せする。国・地域別の関税率は日本が24%、欧州連合(EU)が20%、英国が10%などとなっている。中国は発動済みの20%に加え、34%を上乗せする。

アナリストらは、アジアの製造拠点からの輸入品に対する高関税や報復措置の可能性が、世界のサプライチェーンを混乱させ、企業の利益率を低下させる恐れがあると警告する。ドイツ銀行のシニア米国エコノミスト、ブレット・ライアン氏は「これら措置が今年の米成長率を1─1.5%ポイント押し下げる可能性があり、景気後退リスクを大幅に高める」と述べた。

米株式市場は午前の取引で、ダウ工業株30種は3.5%安、ナスダック総合は5%超安。S&P総合500種は4%超安。

<ハイテク・半導体>

アップルは8%安。シティの推計によると、アップルの生産の90%超が関税で大きな打撃を受ける中国に集中する。ローゼンブラット・セキュリティーズは、アップルが395億ドル相当の関税コストに直面する可能性があると試算した。

マイクロソフトは2.1%安、アルファベットも3.2%安。

デルは約10%安、HPも8%安。コスモス・カレンシー・エクスチェンジのトニー・レドンド創設者によると、これらPCメーカーは約10─25%のコスト増に直面する恐れがある。

iシェアーズ半導体ETFは4.7%安。半導体は、相互関税の対象となる品目リストに含まれていないものの、10%の基本関税の影響を受けるとアナリストらは指摘する。

<小売>

S&P500小売は5.4%下落し、昨年9月以来の安値を記録した。

アマゾン・ドット・コムは9%超安。ウォルマートやターゲットも軒並み下落した。

スポーツ衣料品大手のルルレモンとナイキはともに10%強安。

米小売大手が主要サプライヤーとし、世界の生産拠点とされるアジア諸国に高関税が課されたことで、利益率が圧迫されるほか、値上げを余儀なくされる可能性が懸念される。

米政権は世界の生産拠点とされるベトナムに46%、カンボジアに49%、インドネシアに32%の関税を課した。

<銀行大手>

経済リスクに敏感な銀行大手も売られ、JPモルガン・チェース、シティグループ、バンク・オブ・アメリカは5.3─8%安。

S&P500銀行は6%安、KBW地銀株指数は5.3%安。

<自動車>

自動車大手フォードは1.4%安、ゼネラル・モーターズ(GM)は2.1%安。

輸入自動車に対する25%の自動車関税は3日、自動車部品に対しては5月3日までに発動される。年間数千億ドル相当の自動車と自動車部品が対象。

電気自動車(EV)では、テスラが3.5%安、リビアンが3.2%安、ルシッドは4.8%安。

<医薬品>

製薬大手ファイザーは、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は逆行高。医薬品が一時的に関税の対象から免除されたことが背景にある。

一方、医療機器デックスコムとGEヘルスケアは5%超安。中国、EU、メキシコに課される関税によって、医療機器企業のサプライチェーンと収益がリスクにさらされるという懸念が広がっている。

<暗号資産>

リスクオフムードとなる中、暗号資産(仮想通貨)や関連銘柄の売りも膨らんだ。

ビットコインは3.9%安、イーサリアムは5.2%安。

暗号資産交換業大手コインベース・グローバルは約7.7%、ビットコイン大口投資のマイクロストラテジーは5.6%それぞれ下落。

MARAホールティングス、ライオット・プラットフォームズ、ビットファームズも5─8.7%安。

ロイター
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