英政府、福祉予算50億ポンド削減計画発表 急増する支出抑制へ

英労働党政権は18日、2029/30年までに福祉予算を50億ポンド(64億8000万ドル)以上削減する計画を発表した。写真はケンドール労働・年金相。1月7日、ロンドンで撮影(2025年 ロイター/Hollie Adams)
William James Muvija M
[ロンドン 18日 ロイター] - 英労働党政権は18日、2029/30年までに福祉予算を50億ポンド(64億8000万ドル)以上削減する計画を発表した。急増する支出の抑制を目指すが、一部の議員からは懸念の声が上がっている。
政府は26日、財務方針や経済見通しを盛り込んだ春季予算を発表する。成長を促進し支出を抑制するためにあらゆる手段が検討される中、障害者や長期にわたる健康上の問題を抱える人々への支援を含む福祉予算に焦点が当てられることになった。
英国は欧州諸国の中で、疾病を理由に職に就いていない就労年齢人口の比率が最も高い国の一つ。福祉予算は国防予算を上回っており、30年までに1000億ポンド(1290億ドル)に達する見通しだ。
ケンドール労働・年金相は議会で「29/30年度に50億ポンド以上の節約が見込まれる重要な改革パッケージだ」と強調。スターマー首相は、働く能力があり、自立した生活を送る可能性があるにもかかわらず、福祉に頼っている人々も多いとし「彼らの人生のチャンスを無駄にさせるのは道徳的に間違い」と訴えた。
しかし一部の労働党議員は、福祉削減が党の中道左派の価値観に反するのではないかと懸念している。