ニュース速報
ビジネス

トランプ米政権、大気・水質保護のための規制緩和へ  

2025年03月13日(木)10時59分

 3月12日、トランプ米政権は、バイデン前政権下で導入された国内の発電所や自動車の排ガス規制の撤廃など、一連の規制緩和を発表した。写真は、石炭火力発電所から立ち上る噴煙。2024年10月、ユタ州ハンティントンで撮影(2025年 ロイター/Jim Urquhart)

Valerie Volcovici

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米政権は12日、バイデン前政権下で導入された国内の発電所や自動車の排ガス規制の撤廃など、一連の規制緩和を発表した。

環境保護庁(EPA)の発表は、石炭から製造業までさまざまな産業を活性化し、石油や鉱物の生産を増やすために規制を大幅に緩和するというトランプ氏の政策方針に沿ったものとなる。ただ、大気や水質を保護し、気候変動対策として歴代大統領が課した環境規則を弱めることになる。

EPAのゼルディン長官は「きょうは米国の歴史上、規制緩和の最も重要な日だ」と述べた。

EPAは一連の発表で合計30件を超える規制緩和策を発表した。まず、水質浄化法の下で保護を受ける水路の定義を狭めると発表。この措置により、農業、鉱業、石油化学製品からの流出汚染に対する制限が緩和される可能性がある。

また、地球温暖化対策として発電所からの二酸化炭素排出量を削減することを目指すバイデン政権時代のクリーン発電所規則を見直すとともに、2027年モデル以降の大型・小型車の温室効果ガス排出基準を撤回すると発表した。

電力業界と運輸業界は米国の温室効果ガス排出量の約半分を占めており、バイデン前大統領の気候変動対策における取り組みで重要なターゲットとなっていた。

温室効果ガスの排出が公衆衛生を危険にさらすという09年の科学的調査結果を覆す措置を講じるとも述べた。この規定はこれまでのEPAの温室効果ガス規制の根幹をなすものとなっている。

オバマ政権下でEPA長官を務めたジーナ・マッカーシー氏は「環境保護庁史上最も悲惨な日」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日銀、米経済の不確実性を警戒 3月会合は現状維持の

ワールド

台湾中銀、CPI上昇率1.5%割れなら利下げ検討=

ワールド

米石油大手幹部、トランプ氏と来週面会 関税やLNG

ワールド

インドネシア財政収支、1─2月は対GDP比0.13
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
特集:日本人が知らない 世界の考古学ニュース33
2025年3月18日号(3/11発売)

3Dマッピング、レーダー探査......新しい技術が人類の深部を見せてくれる時代が来た

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 2
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「腸の不調」の原因とは?
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    SF映画みたいだけど「大迷惑」...スペースXの宇宙船…
  • 5
    株価下落、政権幹部不和......いきなり吹き始めたト…
  • 6
    【クイズ】ウランよりも安全...次世代原子炉に期待の…
  • 7
    トランプ第2期政権は支離滅裂で同盟国に無礼で中国の…
  • 8
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 9
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 10
    「トランプの資産も安全ではない」トランプが所有す…
  • 1
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやステータスではなく「負債」?
  • 2
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦している市場」とは
  • 3
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は中国、2位はメキシコ、意外な3位は?
  • 4
    メーガン妃が「菓子袋を詰め替える」衝撃映像が話題…
  • 5
    うなり声をあげ、牙をむいて威嚇する犬...その「相手…
  • 6
    白米のほうが玄米よりも健康的だった...「毒素」と「…
  • 7
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 8
    「これがロシア人への復讐だ...」ウクライナ軍がHIMA…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    113年間、科学者とネコ好きを悩ませた「茶トラ猫の謎…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中