世界の石油供給拡大ペース、需要を上回っている=ガンボーCEO

3月10日、大手資源商社ガンボー・グループのトルビョルン・トルンクビスト最高経営責任者(CEO、写真)は、世界の石油供給の伸びが需要を上回っていると指摘した。3月10日、ヒューストンで撮影(2025年 ロイター/Kaylee Greenlee)
Arathy Somasekhar
[ヒューストン 10日 ロイター] - 大手資源商社ガンボー・グループのトルビョルン・トルンクビスト最高経営責任者(CEO)は10日、世界の石油供給の伸びが需要を上回っていると指摘した。ヒューストンで開幕したエネルギー業界の国際会議「CERAWeek(セラウィーク)」の合間にロイターのインタビューに応じた。
トルンクビスト氏は「世界では依然として需要の伸びが見られるが、それほど大きくない」と述べ、「それが問題だ」とした。
世界第2位の消費国である中国でガソリンとディーゼルの需要が頭打ちになっていると指摘した。
需給バランスが緩みつつあると述べ、石油輸出国機構(OPEC)が決定した4月以降の増産について、「四捨五入程度の誤差」のような小幅な増加だとする一方、OPECの余剰生産能力が引き続き市場の重しになっていると指摘。
「そうした生産能力があるという事実は常に価格の足かせになると思う」と述べた。
北海ブレント原油先物は先週、2021年12月以来の安値となる1バレル=68.33ドルを付けた。10日は70ドルを下回る水準で取引された。
トルンクビスト氏は、原油価格がさらに5─6ドル下落すれば、米国のシェールオイル生産者が生産量をさらに増やす可能性は低いとの見方を示した。
関税や制裁、それらが経済やエネルギー産業に与える影響を巡る不確実性が価格変動の一因になっていると指摘した。
トルンクビスト氏は、ロシアとウクライナの和平合意が成立した場合にロシア産石油に対する制裁がどれほど早く解除されるかは分からないと述べた。
制裁が解除されれば、欧州はロシア産石油・ガスの輸入を再開する見通しだが、破損や停止したガスパイプラインが全て復旧する可能性は低いとした。
一方、東南アジアの燃料需要は引き続き伸びており、明るい材料だと語った。