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マクロ系ヘッジファンド、年初から好調 市場の大幅変動で

2025年03月11日(火)08時42分

3月10日、不安定な市場をうまく活用したマクロ系ヘッジファンドの成績は年初から好調となっているが、株式やマルチ戦略型ファンドのパフォーマンスはまちまちとなっている。2月24日、ニューヨーク証取で撮影(2025年 ロイター)

Nell Mackenzie

[ロンドン 10日 ロイター] - 不安定な市場をうまく活用したマクロ系ヘッジファンドの成績は年初から好調となっているが、株式やマルチ戦略型ファンドのパフォーマンスはまちまちとなっている。

ヘッジファンド調査会社ピボタルパスのデータによると、ヘッジファンド業界全体では年初から1.3%上昇しているが、マクロ経済のシグナルに基づいて取引する一部のファンドはそれよりもはるかに高いリターンを確保している。

マクロ経済の世界的な見通しに基づいて通貨や債券などを取引するヘッジファンドEDLキャピタルは、年初から3月7日までに17%近い利益を上げている。事情に詳しい関係筋が10日、ロイターに語った。EDLは2月に5.9%上昇し、その時点で年初来のパフォーマンスは6.7%に達したという。

その後、3月にさらに10%のリターンを上げた。先週は、ドイツが防衛・インフラ支出の拡大に動いたことで、ドイツ10年債が1990年以来最大の週間ベースでの売りに見舞われ、ユーロは09年3月以来最大の上昇を記録した。一方、米経済見通しに対する懸念が高まったことでS&P総合500種指数は半年ぶりの週間下落率を記録した。

ピボタルパスによると、マクロ系ヘッジファンドは2月末までに平均2.3%のリターンを確保した。

一方、株式投資を専門とするヘッジファンドは2月に苦戦し、その傾向は3月も続いている。ゴールドマン・サックスは顧客へのメモの中で、世界のファンダメンタルズ株式投資家は今週、年初からの平均リターンが1%で終わったと述べた。メモによると、米国の株式市場は先週の売りにより1.4%下落し、年初来のパフォーマンスはマイナス0.5%となった。

Hedge fund February YTD so far

Millennium Management -1.3% -0.8%

D.E. Shaw Oculus Fund -4.3% -2.8%

Balyasny 0.9% 3.5%

Citadel -1.7% -0.3%

EDL Capital 5.9% 16.7%*

Rokos Capital Management -0.29% 0.57%

Caxton 4% 7%

CFM Discus 3.92% 7.87%

CFM Stratus 1.83% 4.45%

AQR Apex 2.8% 5.4%

* 3月7日時点のリターン予想

ロイター
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