午前の日経平均は反発、3万7000円回復 大幅安の反動で買い戻し
Hiroko Hamada
[東京 10日 ロイター] -
前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比208円68銭高の3万7095円85銭と、反発した。前週末に800円超値下がりした反動で買い戻しが入った。半導体関連などのハイテク株がしっかりで指数を支えた。為替の円高進行が重しとなり一時マイナスに転じたが、前場後半にかけては底堅い動きで節目の3万7000円台を回復した。
日経平均は前営業日比85円高と小幅高でスタートした後すぐにマイナス転換し、不安定な値動きとなった。前場序盤には一時182円安の3万6705円02銭まで値下がりする場面があった。為替相場ではドルが147円前半へ下落し、円高が進行したことが嫌気され、日経平均も軟調な地合いとなった。
一方、円高が一巡すると日経平均は再びプラス圏に浮上。ドルが147円台半ばまで上昇すると日本株も上げ幅を広げた。半導体関連や電子部品関連などハイテク株がしっかりで、相場を押し上げた。
いちよし証券の投資情報部・銘柄情報課課長、及川敬司氏は「足元の相場は為替に振らされやすい動き」と指摘する。目先の日本株については「これまでレンジの下限だった3万8000円が上値めどとなるか注目。ただ、来週に日米の金融政策を控えて今週は動きづらいかもしれない」(及川氏)と話した。
日銀の金融政策を巡っては「最短で4―5月会合での利上げ観測が意識されているが、それまでに株安局面となる可能性もあり、金融市場の動向を確認しながら次の利上げのタイミングが決まりそうだ」(国内証券・ストラテジスト)との声が聞かれた。
厚生労働省が10日に公表した1月の毎月勤労統計速報によると、実質賃金は前年比1.8%減と3カ月ぶりに減少した。
TOPIXは0.22%高の2714.54ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆9337億4200万円だった。東証33業種では、鉱業、ゴム製品、輸送用機器など26業種が値上がり。その他製品、鉄鋼、空運など6業種は値下がりし、その他金融は変わらずだった。
個別では、ソフトバンクグループが2%高、アドバンテストが2%超高としっかり。東京エレクトロンは1%超高、ディスコが4%超高、レーザーテックが6%超高だった。一方、三菱重工業が4%超安、IHIが3%超安、任天堂が2%超安だった。
日本駐車場開発は11%超高でプライム市場の値上がり率第2位。7日に子会社の日本テーマパーク開発が東証への新規上場の申請に向けて準備を開始すると発表し、手掛かりとなった。
その他、大阪チタニウムテクノロジーズ、東邦チタニウムが大幅高。防衛関連の一角として人気化しているとの指摘があった。
プライム市場の騰落数は、値上がり944銘柄(57%)に対し、値下がりが624銘柄(38%)、変わらずが69銘柄(4%)だった。