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英、マイクロソフトとオープンAIの提携巡る調査打ち切り

2025年03月06日(木)05時06分

英国の競争政策を担う競争・市場庁(CMA)は5日、米IT大手マイクロソフトと米新興企業オープンAIとの提携について、マイクロソフトの支配権が審査の対象となる水準に及んでいないとして、調査を中止したと明らかにした。写真は1月、フランス・パリで撮影(2025年 ロイター/Gonzalo Fuentes)

Paul Sandle Muvija M

[ロンドン 5日 ロイター] - 英国の競争政策を担う競争・市場庁(CMA)は5日、米IT大手マイクロソフトと米新興企業オープンAIとの提携について、マイクロソフトの支配権が審査の対象となる水準に及んでいないとして、調査を中止したと明らかにした。

マイクロソフトは2019年にオープンAIに10億ドルを投資して以降、提携関係にある。CMAは、マイクロソフトが投資に伴い影響力を持っているものの、事実上の支配権は得ていないと判断した。ただ、運営を巡る「競争上の懸念が生じないことにはならない」とも指摘した。

23年にオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が解任され、直後に復帰するなど混乱した。この騒動を受け、オープンAIの構造に対する疑問が浮上した。

CMAは近年、IT大手とAI新興企業の関係を巡って調査してきた。マイクロソフトとフランスのミストラルAI、米アマゾン・ドット・コムと米アンソロピック、米グーグルの親会社アルファベットとアンソロピックの提携関係をそれぞれ調べたが、いずれも本格的に調査する要件を満たしていないと判断されている。

CMAは今年、巨大ITが「戦略的市場地位」を有すると判断した場合に調査できる新たな権限を得た。ただ、1月にCMAの暫定議長にアマゾンの幹部だったダグ・ガー氏が就き、監督機能が弱まる可能性があるとの見方が出ている。

ロイター
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