ニュース速報
ビジネス

日銀企画局長に奥野氏、利上げ継続へ政策課長の経験重視との声

2025年03月03日(月)15時44分

日銀は3日、企画局長に奥野聡雄総務人事局長を起用すると発表した。同日付で理事に昇格した正木一博企画局長の後任。写真は1月撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 3日 ロイター] - 日銀は3日、企画局長に奥野聡雄総務人事局長を起用すると発表した。同日付で理事に昇格した正木一博企画局長の後任。奥野新局長は利上げ継続に向けた実務を担う。奥野氏はかつて企画局の政策企画課長を正木氏から引き継いだことがあり、市場では金融政策の継続性の観点から奥野氏の実務経験が重視されたとの見方が出ている。

奥野氏は黒田東彦総裁時代の2017年6月、正木氏の後任として金融政策の企画立案を担う企画局政策企画課長に就任し、イールドカーブ・コントロール(YCC)の持続性強化と柔軟化に取り組んだ。こうした経緯から、日銀内でも早くから正木氏の後任の企画局長として奥野氏が有力視されていた。

市場でも「順当な人事ではないか」(東短リサーチの加藤出チーフエコノミスト)との指摘が出ている。加藤氏は政策の継続性の観点から、政策企画課長の経験もある奥野氏が適任だったのではないかとの見方を示した。

日銀は経済・物価が見通しに沿って推移していけば、引き続き政策金利を引き上げ金融緩和度合いを調整していく方針。加藤氏は今回の人事で「今の日銀のスタンスに大きな変化が起きることはない」とみている。

同日付で、奥野氏の後任の総務人事局長には藤田研二金融市場局長、藤田氏の後任の金融市場局長には峯岸誠政策委員会室秘書役・政策委員会室秘書課長事務取扱がそれぞれ就任する。

●奥野 聡雄(おくの あきお)

1993年に東大法卒、日銀入行。金融市場局市場調節課長を経て2017年6月に企画局政策企画課長。19年6月まで務めた。24年4月に総務人事局長。北海道出身。55歳。

●藤田 研二(ふじた けんじ)

1992年に東大法卒、日銀入行。政策委員会室審議役(組織運営調整)を経て、2022年5月に金融市場局長。愛知県出身。55歳。

●峯岸 誠(みねぎし まこと)

1994年に一橋大法卒、日銀入行。金融機構局審議役を経て、2024年6月に政策委員会室秘書役・政策委員会室秘書課長事務取扱。神奈川県出身。54歳。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

仏英、1カ月のウクライナ部分停戦を提案とマクロン氏

ビジネス

アングル:米高関税対策でカナダ牛が減少加速、米で牛

ビジネス

ユーロ圏2月CPI速報、前年比+2.4%に鈍化 サ

ビジネス

英製造業PMI、2月改定値は46.9に低下 人員削
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:破壊王マスク
特集:破壊王マスク
2025年3月 4日号(2/26発売)

「政府効率化省」トップとして米政府機関に大ナタ。イーロン・マスクは救世主か、破壊神か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性【最新研究】
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    米ウクライナ首脳会談「決裂」...米国内の反応 「ト…
  • 5
    「浅い」主張ばかり...伊藤詩織の映画『Black Box Di…
  • 6
    ボブ・ディランは不潔で嫌な奴、シャラメの演技は笑…
  • 7
    生地越しにバストトップがあらわ、股間に銃...マドン…
  • 8
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天…
  • 9
    バンス副大統領の『ヒルビリー・エレジー』が禁書に…
  • 10
    世界最低の韓国の出生率が、過去9年間で初めて「上昇…
  • 1
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 2
    細胞を若返らせるカギが発見される...日本の研究チームが発表【最新研究】
  • 3
    イーロン・マスクへの反発から、DOGEで働く匿名の天才技術者たちの身元を暴露する「Doxxing」が始まった
  • 4
    富裕層を知り尽くした辞めゴールドマンが「避けたほ…
  • 5
    ニンジンが糖尿病の「予防と治療」に効果ある可能性…
  • 6
    イーロン・マスクのDOGEからグーグルやアマゾン出身…
  • 7
    障がいで歩けない子犬が、補助具で「初めて歩く」映…
  • 8
    「絶対に太る!」7つの食事習慣、 なぜダイエットに…
  • 9
    東京の男子高校生と地方の女子の間のとてつもない教…
  • 10
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 1
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 4
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 9
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 10
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中