仏格付け見通し「ネガティブ」に、財政懸念で=S&P
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格付け会社S&Pは2月28日、フランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。写真はパリで昨年6月、代表撮影(2025年 ロイター)
[パリ 28日 ロイター] - 格付け会社S&Pは28日、フランスの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更した。債務の増加や財政赤字を巡る政治の膠着、景気の不透明感を理由に挙げた。
昨年5月に「AA」から引き下げた格付けは「AAマイナス」に据え置いた。
S&Pは格付け見通しの変更について「経済成長の見通しがより不透明な環境で、大規模な財政赤字に対処する政治的コンセンサスが弱い中、政府債務が増加していることを反映している」と説明した。
バイル仏首相は2月上旬、憲法上の特別な権限を行使し、2025年予算案を通過させた。
同案は歳出削減や増税を通じて財政赤字を24年の対国内総生産(GDP)比6%から5.4%に削減することを目指しているが、それでも赤字の規模は欧州連合(EU)で最も大きい部類にとどまる。
仏財務省はS&Pの発表を受け、政府は財政再建に取り組む決意だと強調し、25年予算案が計画通り実施されるよう措置を講じたと述べた。