セブン&アイ、社長交代で調整 後任はデイカス取締役会議長が有力=関係者
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3月3日、セブン&アイ・ホールディングスが、井阪隆一社長(写真)を交代する方向で最終調整していることが分かった。事情を知る関係者2人によると、後任はスティーブン・ヘイズ・デイカス取締役会議長が有力視されている。写真は都内で2016年5月撮影(2025 ロイター/Issei Kato)
Ritsuko Shimizu
[東京 3日 ロイター] - セブン&アイ・ホールディングスが、井阪隆一社長を交代する方向で最終調整していることが分かった。事情を知る関係者2人によると、後任はスティーブン・ヘイズ・デイカス取締役会議長が有力視されている。同社を巡っては、カナダの小売大手から受けた買収提案に対抗して模索した株式の非公開化が頓挫していた。
関係者1人によると、セブンは6日に取締役会を開き、井阪社長の退任などを決める見通し。関係者2人によると、昨年4月から取締役会議長を務めるデイカス氏が有力な候補として浮上。関係者の1人は「社外取締役でこれまでの議論も理解している」と説明し、海外戦略を加速する上で適任との見方を示した。
デイカス氏は、カナダのアリマンタシォン・クシュタールから昨年8月に受けた買収提案を検討する特別委員会の委員長も務める。同氏が社長に就任した場合の委員長職がどうなるのかは現時点で分かっていない。デイカス氏は西友の最高経営責任者(CEO)などを歴任した。
セブンは「当社が発表したものではなく、本件について決定している事実はない」とのコメントを出した。
セブンはクシュタールへの対抗案として、創業家によるMBO(経営陣が参加する自社買収)を検討。しかし、資金の主要な出し手として打診された伊藤忠商事が参画しないことを決めたことから断念した。
井阪社長は1980年にセブン-イレブン・ジャパンに入社し、2009年に同社社長に就任。16年からセブン&アイの社長を務め、米国のガソリンスタンド併設型コンビニエンスストア、スピードウェイを買収して北米事業を拡大した。
一方、スーパーや百貨店事業が低迷し、株主の米アーティザン・パートナーズや米バリューアクト・キャピタルから経営体制の変革を求められていた。