春闘スタート、経団連と連合が懇談会 賃上げ「定着」目指す
[東京 22日 ロイター] - 経団連と連合が22日、都内で懇談会を開き、2025年春季労使交渉(春闘)が事実上スタートした。労使ともに力強い賃上げの流れの「定着」を目指すことで方向性は一致しており、中小・小規模事業者や非正規労働者まで幅広く賃上げが広がるよう機運醸成を目指す。
経団連の十倉雅和会長は冒頭あいさつで「ここ2年間で醸成されてきた賃金引き上げの強いモメンタムを定着させる年にしなければならならない」と強調。経団連として、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を念頭においた結果を呼び掛けていくと語った。
十倉会長は「賃金引き上げの定着には約7割の働き手を雇用する中小企業と、4割近くを占める有期雇用等労働者の賃金引き上げが不可欠だ」と指摘。適正な価格転嫁と販売価格アップを受け入れることを社会的規範として浸透させることが重要との認識を示した。
連合の芳野友子会長は「昨年は賃金も物価も経済も安定的に上昇する経済社会のステージ転換が図られたが、物価上昇はコストプッシュ型の要因が続いており、決して『上げ潮』とは言えない」と指摘。その上で、日本経済を底上げするには日本経済の隅々まで賃上げが波及しなければならないと語った。
連合の集計によると、24年春闘はベアと定期昇給(定昇)を合わせた平均賃上げ率が5.1%と、33年ぶりの高水準で着地。ベア率は3.56%と、集計を開始した2015年以降で最も高かった。25年春闘は要求水準を「5%以上」で据え置き、それを最低ラインとして取り組むことで賃上げの流れの定着を図る。