情勢見極めに必要な時間や利上げタイミング、「予断持たず」=植田日銀総裁
10月31日、日銀の植田和男総裁(写真)は金融政策決定会合後の記者会見で、今回の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で示した経済・物価の見通しが実現していけば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と述べた。写真は同日、都内で撮影(2024年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Kentaro Sugiyama Takahiko Wada
[東京 31日 ロイター] - 日銀の植田和男総裁は31日、金融政策決定会合後の記者会見で、今回の「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)で示した経済・物価の見通しが実現していけば「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」と述べた。情勢の見極めに必要な時間や利上げのタイミングについては「予断を持っていない」とし、毎回の会合の時点で各種データから現状や見通しをアップデートしつつ、政策判断を行っていくと語った。
植田総裁は米国経済の現状について「良好な経済指標がみられる」としつつ、これまでの利上げの影響など不透明な部分が大きく、動向を注視していく必要があると述べた。米大統領選後の新政権の政策運営が日本に与える影響については「コメントを控える」とした。
今月上旬に石破茂首相が「現在、追加の利上げをするような環境だと思っていない」と発言した。政治の意向が日銀の政策判断に与える影響についての質問に、植田総裁は「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、それに応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調査していく」と繰り返し説明。特定の政治家の発言にはコメントしないと語った。
日銀は30―31日に開いた決定会合で政策金利の現状維持を決めた。今回の会合では、過去の非伝統的な金融政策を振り返る「多角的レビュー」の討議も行ったという。植田総裁は、次回12月会合で引き続き議論したうえで内容を取りまとめて公表を考えていると述べた。
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