米当局、武田のADHD治療薬増産を許可 不足受け

米麻薬取締局(DEA)は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬である武田薬品工業の「ビバンセ」とその後発医薬品(ジェネリック)について、生産制限を緩和し、約24%の増産を認めた。米マサチューセッツ州ケンブリッジで2018年撮影(2024年 ロイター/Julie Steenhuysen)
[4日 ロイター] - 米麻薬取締局(DEA)は注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬である武田薬品工業の「ビバンセ」とその後発医薬品(ジェネリック)について、生産制限を緩和し、約24%の増産を認めた。米国内でのADHD治療薬不足に対応するためという。
DEAは3日付の通知で、今回の生産制限の緩和措置は7月の米食品医薬品局(FDA)からの要請を受けたものだと明らかにした。
ADHD治療薬は長年にわたり、供給不足の状態が続いている。FDAは2022年10月、イスラエルのジェネリック世界最大手テバ・ファーマシューティカル・インダストリーズの生産遅延により、同社ADHD治療薬「アデロール」の供給が不足していることを警告していた。
こうした状況を受け、武田のビバンセに対する需要は急増し、供給が不足する事態に陥っていた。
ビバンセは新有効成分「リスデキサンフェタミンメシル酸塩」を含有する。DEAはビバンセを、乱用の可能性が高いとされる薬物に適用する「スケジュールII」の規制薬物に分類、追加の処方を巡ってはセーフガード措置が講じられている。