リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと
「平和を望むのなら、戦争の準備をしなくてはならない」
日本被団協のもう1つ注目すべき点は、日本のほかの原水爆禁止団体の傘下や影響下に入ることなく、核兵器廃絶への運動を続けてきたことだ。ほかの原水爆禁止団体は、日米などの西側陣営の結束と防衛体制を弱体化させようとするソ連(そして現在は中国)の影響を受けている場合が少なくない。その点、日本被団協は、日本がアメリカの核の傘によって安全を守られているという皮肉な現実を受け止めつつ、核廃絶の理想を高らかに追求してきた。
もっとも、理想主義だけでは、戦争が遠のくことも、核廃絶に近づくこともない。世界の国々の政治指導者たちは、理想主義者たちから激しい批判を浴びながらも、冷徹な現実に従って行動してきた。その現実とは、「平和を望むのであれば、戦争の準備をしなくてはならない」というものだ。
国家は、軍事力を使用したくなければ、軍事力を持たなくてはならない。そして、超大国は、ほかの超大国が核兵器を用いることを防ぐために、自国も核兵器を持つ必要があるのだろう。
しかし、問題は残る。思わぬミスにより核兵器が使用されてしまう可能性だ。どれほど手厚い「安全装置」を設けても、正しく機能しないときはある。1962年、73年、79年、80年、83年、84年に、世界は主として些細なミスが原因で核による破滅の一歩手前まで行ったことがある。
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