なに考えてる? CIA元諜報員が分析したイーロン・マスクの深層心理
TAYLOR HILL/GETTY IMAGES
<スペースXとテスラの創業者・CEOに、新たに加わったツイッター経営者の肩書。この「リアル・アイアンマン」は何を考えているのか。世界をよりよく変えるのか、それとも...>
イーロン・マスクを好きか嫌いかは別にして、「2023年の注目の人」として取り上げるのは礼を失する。少なくとも2008年から超有名人だ。
この年に公開された映画『アイアンマン』の主人公トニー・スタークは、マスクをモデルにしている。ロバート・ダウニーJr.が演じるスタークは、風変わりな天才にして短気な実業家で発明家。社会通念を無視し、規制を軽蔑し、あり得ないほど裕福で、世界を救う装置を発明する。
本物のマスクは世界で最も裕福な1人だ。
宇宙旅行に革命を起こす超大型ロケット、スターシップを開発中のスペースXの創業者でチーフエンジニアを務める。
電気自動車メーカーのテスラを設立して自動車業界に革命を起こし、二酸化炭素排出量がほぼゼロの「ポスト内燃機関」の世界を目指している。
住宅用太陽光発電システムの設計・施工を手がけるソーラーシティーとテスラの2016年の合併は、業界に衝撃を与えた。
そして今、440億ドルでツイッターを買収し、世界的なソーシャルプラットフォームと言論の自由のパラメーターに影響力を振るおうとしていることは周知のとおりだ。
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ツイッターを買収した理由の1つは、思い付いたことを何でも口にしたいから。
彼のナルシシズムはいじめられていたという子供時代の反動かもしれない。いたずらっ子のようなちゃめっ気と感情面の未熟度は、親の束縛や同級生の嫌がらせから解放された大学1年生のようだ。
自分の発言が、株式市場を揺るがし、日本の人口動態をめぐる不安を招き、言論の自由を主張する人々やネオナチを挑発することにも、時に無自覚で、しばしば無頓着で、子供じみた快感を明らかに楽しんでいる。
アイアンマンの正体を知るスタークの秘書ペッパー・ポッツのように、この幼稚な大人をコントロールできる人物はいないのだろうか。
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