力の誇示を控えてきたインドに変化...国民は自信を強め、「大国」への野心を見せ始めた
インドという国家の在り方も変わりつつあるのかもしれない。旧宗主国イギリスは、インド人が自国の統治を受け入れる限り、彼らがどんな宗教を信じようとほとんど気にしなかった。独立後のインドで長らく政権の座にあった国民会議派は、あらゆる宗教を受け入れる世俗国家を目指した。
だが14年以降、モディ政権とBJPはヒンドゥー至上主義的な政策を何度か打ち出している(インドの人口はヒンドゥー教徒80%、イスラム教徒14%)。これらの政策は議論を呼んだが、モディは有権者の67%から支持されている。
私は首相の占星術師と会った経験がある。うっかり聖なる牛のふんを踏んでしまったこともある。だが同時に、インドの急速な近代化も目の当たりにした。私が話をした経営者や科学者は、今後数十年以内にインドは世界有数の大国になると確信していた。
死と再生を無限に繰り返す輪廻を説くヒンドゥー教の教えは正しいのかもしれない。だが今のところ、インドは成長と国力上昇が加速するサイクルにいる。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと 2024.10.22
戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイスラエルを待つ落とし穴 2024.10.08
カマラ・ハリスの大統領選討論会「圧勝」が、もはや無意味な理由 2024.09.25
共和党バンスvs民主党ウォルズは、あまりに対照的な副大統領候補対決 2024.09.03
全面戦争を避けたいイランに、汚職疑惑を抱えるネタニヤフが「悪夢の引き金」を引く 2024.08.20
大統領への道「勝負の100日間」ハリスの物語と夢のパワーがアメリカの命運を決める 2024.08.01
追い詰められた民主党が苦しむ「バイデン降ろし」のジレンマ 2024.07.20