2年乗った車が購入時よりも高く売れるアメリカ、限度を超えたインフレの行方
FRBのアナリストは、「失業率とインフレ率は景気後退リスクのより重要な先行指標」だと指摘。その上で、「今後2年間で失業率の大幅上昇のリスクが約67%ある」と分析している。
FRBは失業率の上昇を景気後退の主要指標と位置付けている。つまり、2対1の割合で今後2年間に米経済が景気後退に陥るリスクがあると考えていることになる。
FRBは景気後退を覚悟か
一方、CBOは米経済についてはるかに楽観的だ。彼らの予測では、アメリカのGDPは22年に3.1%、23年に2.2%、24年に1.5%成長し、インフレ率は22年全体で4.7%、23年は2.7%、24年には2.3%と低下する。
さらに失業率は24年まで「完全雇用」水準の3.8%にとどまると予測。FRBは景気後退を招くことなくインフレを抑制し、利上げを大方の予想より低く抑えられる可能性が高いと指摘している。
私はFRBとCBOの両方を高く評価しているが、個人的には失業率の上昇が景気後退の重要指標になるという見解に賛成だ。一般国民にとっては、失業率が上昇する一方でGDPが成長し続けることよりも、仕事があるかないかのほうが重要だ(人工知能とオペレーションの省力化が世界に浸透するにつれ、労働者の失業リスクは高まっている)。
私もFRBと同様、今後1年半~2年間に景気後退が起こる可能性を67%と予測している。これは大学院で学んだオーソドックスな経済分析に基づく判断だ。
まずパンデミックによる都市封鎖の経済的負担を軽減するために、次いでバイデン政権の歴史的な大型インフラ関連予算によって、巨額の資本注入が行われた。その後、供給制約や需要増、労働力不足によりインフレ率が上昇し、インフレ圧力緩和のために急激な金利引き上げが実施された。一連の動きは、大幅な金利上昇から18~24カ月後に景気後退が始まることを示唆するものだ。
私は自分が間違っていることを願う。86歳の義母は半年以上前から、お買い得品を探して近所の食料品店に通いながら警告のサインに気付いていたのだが。
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