「プーチンとの友情」を大急ぎで隠したルペン、「移民排斥」でマクロンに勝てるか?
4年前、ガソリン価格の高騰に抗議して30万人以上が黄色の安全ベストを身に着け、フランス全土で街頭デモを繰り広げた。この「黄色いベスト運動」は、過去30年間の共産党と社会党の凋落もあって、左派と右派のポピュリストを糾合し、マクロンを上流支配階級に特徴的な傲慢さとエリート主義の産物と見なしている。黄色いベストとルペンは、どちらも根深いポピュリストの怒りを体現する存在なのだ。
一方、マクロンは経済改革に取り組む能力を強調し、社会の結束とEUの統合推進を主張する。スローガンは「フランスを前進させるためにヨーロッパを変えよう」。マクロンは理性に訴え、ルペンは恐怖と怒りに訴える──古典的な政治的分裂だ。
感情面はともかく、有権者の大半はルペンと極右思想を忌避する傾向が根強い。あるフランス人識者の言葉を借りれば、おそらくマクロンは4月24日、「安楽椅子に座ったまま」勝利を収めるだろう。

アマゾンに飛びます
2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
トランプが命じた「出生地主義の廃止」には、思わぬ悪影響が潜んでいる 2025.01.31
大統領の「自爆」クーデターと、韓国で続いていた「軍人政治」 2024.12.26
民主主義の危機は民主主義のシステムそのものに内在している 2024.12.14
元CIA工作員が、かつての敵国ベトナムを訪問して新たに発見したこと 2024.11.27