「プーチンとの友情」を大急ぎで隠したルペン、「移民排斥」でマクロンに勝てるか?
4年前、ガソリン価格の高騰に抗議して30万人以上が黄色の安全ベストを身に着け、フランス全土で街頭デモを繰り広げた。この「黄色いベスト運動」は、過去30年間の共産党と社会党の凋落もあって、左派と右派のポピュリストを糾合し、マクロンを上流支配階級に特徴的な傲慢さとエリート主義の産物と見なしている。黄色いベストとルペンは、どちらも根深いポピュリストの怒りを体現する存在なのだ。
一方、マクロンは経済改革に取り組む能力を強調し、社会の結束とEUの統合推進を主張する。スローガンは「フランスを前進させるためにヨーロッパを変えよう」。マクロンは理性に訴え、ルペンは恐怖と怒りに訴える──古典的な政治的分裂だ。
感情面はともかく、有権者の大半はルペンと極右思想を忌避する傾向が根強い。あるフランス人識者の言葉を借りれば、おそらくマクロンは4月24日、「安楽椅子に座ったまま」勝利を収めるだろう。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと 2024.10.22
戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイスラエルを待つ落とし穴 2024.10.08
カマラ・ハリスの大統領選討論会「圧勝」が、もはや無意味な理由 2024.09.25
共和党バンスvs民主党ウォルズは、あまりに対照的な副大統領候補対決 2024.09.03
全面戦争を避けたいイランに、汚職疑惑を抱えるネタニヤフが「悪夢の引き金」を引く 2024.08.20
大統領への道「勝負の100日間」ハリスの物語と夢のパワーがアメリカの命運を決める 2024.08.01
追い詰められた民主党が苦しむ「バイデン降ろし」のジレンマ 2024.07.20