人種差別主義者と極右の政党として、トランプと共に沈みゆく共和党
アメリカの有権者は、以下の6つのグループで構成されている。
民主政治と政府への軽蔑もしくは不信が強い「ナショナリスト右派」(19%)、伝統的な保守派の経済・社会政策を支持するが、民主政治の規範を尊重している「伝統的右派」(21%)、伝統的な民主党リベラル派の「穏健な」政策を支持する「中道左派」(28%)、地球温暖化や貿易などのテーマで多文化主義的・「グローバリスト」的な路線を支持する「国際主義左派」(12%)、地球温暖化対策を講じるために、経済の在り方を抜本から変革することを目指す「グリーン派」(10%)、そして、一貫した政治的主張を持たない「その他」(10%)である。
トランプのような人種差別的・独裁的路線を支持する人は、有権者の4人に1人もいないのだ。保守派を全て合わせても40%にすぎない。従って、共和党がトランプ路線を継承した場合、事実無根の「不正選挙」を主張しながら、自由な選挙を妨げることでしか、選挙で勝つことはできない。
トランプはこの4年間で、共和党をアメリカ社会の少数派に転落させた。トランプ自身もまだ破壊的な力を保ってはいるが、もはや最盛期のような影響力はない。
<本誌2021年3月2日号掲載>
2024年12月10日号(12月3日発売)は「サステナブルな未来へ 11の地域の挑戦」特集。地域から地球を救う11のチャレンジとJO1のメンバーが語る「環境のためにできること」
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
元CIA工作員が、かつての敵国ベトナムを訪問して新たに発見したこと 2024.11.27
リアリストが日本被団協のノーベル平和賞受賞に思うこと 2024.10.22
戦術で勝ち戦略で負ける......「作戦大成功」のイスラエルを待つ落とし穴 2024.10.08
カマラ・ハリスの大統領選討論会「圧勝」が、もはや無意味な理由 2024.09.25
共和党バンスvs民主党ウォルズは、あまりに対照的な副大統領候補対決 2024.09.03
全面戦争を避けたいイランに、汚職疑惑を抱えるネタニヤフが「悪夢の引き金」を引く 2024.08.20
大統領への道「勝負の100日間」ハリスの物語と夢のパワーがアメリカの命運を決める 2024.08.01