イラン「CIA協力者を逮捕、死刑宣告」を元CIA工作員が検証する
情報網の再構築が急務
通信システムの弱点が見破られたことは短期的にはともかく、長期的には大した問題ではない。トゥキュディデスの挙げた3大誘因が普遍的なように、諜報活動のメソッドそのものもおおむね普遍的だ。防諜活動で多少は情報漏洩を防げるにせよ、諜報活動は国益を守るための機能であり、それを止めることはまず不可能だ。世界の優れた情報機関はほぼ例外なく数々の修羅場を乗り越えて機能し続けている。
CIA内部の隠語で言うところの諜報活動の「フラップ(へま)」は高い代償を伴う。責任者のクビが飛び、死者も出るし、国家の権威も傷つく。失態が戦争を招くことさえある。今回の件でCIA職員は胃がキリキリ痛んだだろうが、なお一層使命感に燃えたはずだ。中国とイランの防諜当局は戦術的には大きな成果を上げたが、CIAに戦略的な打撃を与えたとは限らない。そうなるかどうかは政治の判断次第、中国、イラン、アメリカ政府の出方次第だ。
イランでは保守派が対米強硬姿勢を強めるようロウハニ政権に圧力をかけている。片や嘘つきとイデオローグが牛耳るトランプ政権は一貫性のない山師的な「政策もどき」を打ち出すばかり。CIAは可及的速やかに情報網を再構築すべきだ。
<2019年8月13&20日号掲載>
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