コラム

「プーチンさんを悪く言わないで!」という「陰謀論」動画の正体

2022年03月09日(水)18時56分


馬渕:結局ね、現実が見られないというのはね、日本にも関係しているんですが、日本という軸がないから、どうしても特にアメリカの報道ですね。アメリカっていうのはディープステートの報道ですが、それに惑わされていると。(中略)要するに現地のウクライナ軍ですね、東部ウクライナに派遣されている、私兵集団。これはもともとネオナチと言われる集団でね、アゾフと言われたんですが、それを持ってるのがね、今は辞めましたけど、元ドニプルペトロウシク州の州知事までやったね、コロモイスキーというね、ウクライナの大金持ちなんですよね、ナンバースリーぐらいの。

彼はね三重国籍者で、イスラエルとウクライナとキプロスぐらいの、だから要するにウクライナ版オリガルヒですよね。で彼がアゾフと言う私兵集団を持ってるんです。武力集団というか。その連中が攻撃してるわけですよ。親露派をね。

もともとの、2014年のウクライナ危機そのものがね、ロシアをウクライナから追い出すというね、危機っていうか危機と言うのもおかしいんですが、そのために作られたウクライナ問題だったんですね。その標的は、プーチン大統領だったんですね。プーチン大統領に何とかウクライナに介入させて、そしてプーチン大統領を世界の悪者にして、一挙にロシアと言うかプーチンを失脚させる。その筋書きがね、2014年以来ずっと一貫してるんですね。

水島:そうなんですよね。特に我々ウクライナ危機と言ったときの、オバマ大統領の目立った、我々記憶に新しいのは。オバマとバイデンが一貫してね、それをやってるということね、その背景に誰がいるかってことがわかる。

馬渕:ネオコンですよね。(中略)プーチン大統領はね、ナショナリストで、ロシアの天然資源はロシア人が支配するべきだと。(中略)ロシアの中にもオリガルヒと呼ばれる連中は、むしろグローバリストで、欧米と組んでロシアの富を支配しようとして、有名なホドルコフスキー事件(筆者注:ホドルコフスキー氏はロシアの新興財閥の有力者のひとりであったが、2003年に逮捕され、2013年に釈放されロンドンに亡命)と言うのが2013年にあったんですがね、彼はプーチンにとって代わろうとしたんですね。

その背後にいたのが、ロンドンのジェイコブ・ロスチャイルドと、なんとキッシンジャーなんですね。これは公開情報なんですよ、陰謀論でも何でもない。その人たちが何とかね、プーチンを打倒しようと思って、2003年にさかのぼるんですが、反プーチン運動を続けていると。それで私はね、ウクライナ行って、ウクライナの人というのは暴力的な人じゃないんですよ。非情に素朴でね、親しみやすい人なんですよ。だからウクライナは乗っ取られたんですよ。誰に乗っ取られたかというと、分かりますね、ネオコンですね。(後略)

水島:バイデン政権になってまたウクライナ問題が再燃したとき、これはもう、かつての大東亜戦争の日本と同じようにね、石油とかエネルギーの元を全部絶って、戦争に持ち込もうとさせていると。だからどっちかというと、プーチンは戦争をやりたいんじゃなくて、やらされるように、どんどん向けられている。あの当時の認識がね、そういう形で皆さんに解説したんだけど、そんなに間違ってはいないという感じがね、私してるんですよ。

馬渕:遡れば要するに例えばね、ヒトラーが世界制覇を狙ってるとかって言ってね、ヒトラーを倒せということで、アメリカとイギリス、フランスもいましたけど組んで、とにかくヒトラーを挑発したわけですね。で、ポーランドに最終的には侵攻させてね

その侵攻の直接の原因になったのは、ポーランドの西側って旧ドイツ領ですからね、ドイツ人がたくさん住んでいるんですよ。そこでポーランド政府側がドイツ人の虐殺をやったんですよ。だから結局ヒトラーも追い詰められて、侵攻せざるを得なかった。同じことが行われている。まずそうやって挑発させてね、東ウクライナでね、ロシア人を虐殺する。そうするとプーチンだって黙っていられない訳ですよ。

プロフィール

古谷経衡

(ふるや・つねひら)作家、評論家、愛猫家、ラブホテル評論家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2014年よりNPO法人江東映像文化振興事業団理事長。2017年から社)日本ペンクラブ正会員。著書に『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『女政治家の通信簿』『若者は本当に右傾化しているのか』『日本型リア充の研究』など。長編小説に『愛国商売』、新著に『敗軍の名将』

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