コラム

無価値不動産購入のススメ

2021年10月27日(水)16時50分

基本的に無価値不動産は取得後に価格が上昇することは稀なので、これを資産のように考えてはいけない。要らなくなれば仲介に出して売却することはできるが、取得時の金額を大きく超えないだろう。無価値不動産は資産運用を度外視して、純に生活利便に資する収納スペースだと考えて、末長い付き合いが必要である。

自宅以外に大きな倉庫が欲しい。自宅は賃貸だが土地所有権が欲しい。大きな庭や家庭菜園、資材置き場としての土地が欲しい。そういう方には、50万円程度あれば確実に取得できる無価値不動産の購入と活用をお勧めしたい。

 どんなに安くとも不動産を買えば、とたんに愛着がわく。この雑草を全部除去しようとか、屋根にペンキを塗りたいとか、自分で柵を作りたいとかどんどん欲求が増えていく。自然と、植物やDIYに詳しくなる。このような発見も、無価値不動産ならではのものである。

プロフィール

古谷経衡

(ふるや・つねひら)作家、評論家、愛猫家、ラブホテル評論家。1982年北海道生まれ。立命館大学文学部卒業。2014年よりNPO法人江東映像文化振興事業団理事長。2017年から社)日本ペンクラブ正会員。著書に『日本を蝕む極論の正体』『意識高い系の研究』『左翼も右翼もウソばかり』『女政治家の通信簿』『若者は本当に右傾化しているのか』『日本型リア充の研究』など。長編小説に『愛国商売』、新著に『敗軍の名将』

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