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「報道が目を光らせなければ、国家は国民を虐げる」──映画『コレクティブ 国家の嘘』の教訓
トロンタンがスポーツ紙の記者であることも示唆的かもしれない。政治の腐敗が進めば進むほど、大手マスコミによる政治スキャンダル追及能力は薄れる。従って「文春砲」のようなイエロー・ジャーナリズムが、逆説的にその役割を担うことになってしまうのだ。この意味で、『コレクティブ』は、『ペンタゴン・ペーパーズ』や『1987、ある闘いの真実』のバッドエンド・バージョンとして、あるいは、よりリアリティのある『新聞記者』のヴァリエーションとして観ることも可能だろう。
『コレクティブ 国家の嘘』は、多くの人に観てもらいたい映画だ。できれば、次の総選挙の前に。ルーマニアは、おそろしい腐敗が明らかになったにもかかわらず、与党が制裁を受けることもなく、引き続き議会の多数派を手にした。さて、日本ではどうなるだろうか。
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