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韓国のコロナ対策を称える日本に欠ける視点
日本にはマイナンバー制度があるが個人情報の収集管理に対する抵抗が大きく、3月現在においてマイナンバーカードの交付率は15.5%と低い。マイナンバーをマスク購入の身分確認と重複購入のチェックのために使うとしたら、日本国民は抵抗なく受け入れるだろうか?
さらに、無視できないのが徴兵制だ。今回のコロナ対応に韓国政府は社会服務要員、軍人、公衆保健医という兵役義務を担う「若い男性」たちを動員した。社会服務要員とは軍役の代わりに居住地近隣の政府機関や公共施設で仕事をする人たちだが、彼らは薬局の人手不足を補うために投入され、軍人はマスク工場での包装や運搬作業のために動員された。
また、兵役の代わりに離島や山間地で医療活動を行う公保医たちは、コロナ感染被害が当初最も深刻な状況にあった大邱や慶尚北道地域に宿泊所も手配されていない状態で派遣された。1000人以上の公保医が劣悪な条件下で、だが最前線で奮闘していた。国家の命令による拒否できない動員が、韓国の「迅速な」対応を下支えしていたのだ。
最近の日本では、韓国の明るい部分だけに注目する人たちはむやみに韓国を称賛し、逆に暗い部分に注目する人たちは存在の全てを悪と断じて否定するという両極端に走る傾向があるように思う。だが、どんな事象にも表と裏は確かに存在する。
日本人にとってベストな選択は韓国のように対応することではなく、その裏に見えるものも冷静に観察することではないだろうか?
<2020年5月5日/12日号「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より>
【参考記事】韓国製PCR検査キットが新型コロナから世界を救う日
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2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。
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