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7月4日の地球は「過去12万5000年間で一番暑い日だった」と専門家 「12万5000年」の根拠は?
パンテオンの噴水で暑気ばらいする人々(7月10日、伊ローマ) Remo Casilli-REUTERS
<地球規模の猛暑の原因、「12万5000年」という数値がどこから算出されたかについて掘り下げる>
米国立環境予測センターの観測データの分析から、7月4日の地球全体の平均気温(世界平均気温)は17.18℃で、1979年の衛星観測開始以来、最も暑い日であったことが分かりました。米ワシントン・ポスト紙によると、「過去12万5000年間の地球史上で、最高気温と考えられる」と指摘する気象学者もいるといいます。
世界最高気温は前日の3日に17.01℃を記録し、「19世紀末に計測機器による気象観測が始まって以来、初めて17℃を超えた」と話題になりました。それまでの記録は16年8月14日に達成した16.92℃で、2日連続で過去最高気温を更新しました。
さらに世界気象機関(WMO)は10日、暫定データとしながら「世界平均気温は7日に17.24℃を達成した」と発表しました。
日本でも、10日は、都内で今年初の猛暑日(最高気温が35℃を以上)になりました。先月20日に発表された気象庁の3か月予報(7~9月)では、今年は例年以上に太平洋高気圧が日本の南へと張り出す見込みで、とくに沖縄から関東にかけては例年よりも暑くなると予測しています。
今年の地球規模の猛暑は、何が原因なのでしょうか。また、過去12万5000年間という数値は、どんな根拠から算出されたのでしょうか。深掘りしてみましょう。
気象観測の歴史
気象観測は、人類史が始まって以来なされてきたと言っても過言ではありません。自然現象を書き留めたり、季節ごとの変化を参考にしたりすることは、農業や防災、健康管理に必要不可欠な作業でした。
近代的な気象観測は、地上、海洋、高層大気、衛星データによって行われています。
地上気象観測は最も古くから行われてきており、天気、気温、気圧、降水量、湿度、風向風速、日射量などのデータは、長年の蓄積があります。
海洋気象観測は、かつては船で測定されていました。地上気象観測で得られるデータに加えて、海流の向きや速度、海水温、海氷の有無なども記録されます。20世紀になると、長時間の観測や観測点の増加のために海洋気象ブイが開発され、海洋学の発展に貢献しました。
地球の高層の観測は、1749年にスコットランドの天文学者アレキサンダー・ウィルソンが、凧に温度計を付けて飛ばしたことから始まったとされます。フランスの物理学者ジャック・シャルルは1783年、気球に乗って大気の機器計測を行いました。20世紀半ばには、気球に取り付けて、高層大気の成分や、気温、気圧、湿度などの測定値を無線で地上に送信する特殊な装置(ラジオゾンデ)が開発されました。現在は、オゾン濃度やエアロゾルの計測なども可能となり、大気汚染の把握にも役立てられています。
20世紀半ばには、各国が打ち上げた気象衛星に搭載された可視光線センサーや赤外線レーダーによる観測も始まりました。雲の有無の画像解析や、大気成分の分布、温度、水蒸気量、風向・風速の推定などが可能です。気象衛星の所有国は、途上国なども気象予報に利用できるように衛星データを国際的に開放しています。
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