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魅惑の摩天楼、香港フォト通信

マリエ|香港

激レアな香港を求めている人向け、棺桶と骨壺屋がずらりと並ぶ一角にある異色カフェ

通行人の左、窓に陳列されているのは骨壺(筆者撮影)

棺桶と骨壺屋が並ぶカオスな地区

香港の九龍島にあるホンハム。ここは中国大陸へとつなぐ列車が往来しているので香港の玄関口と呼ばれる。ホンハムは葬儀場がある事でも有名。葬儀場の周りには棺桶や骨壺、葬式用の花屋が軒を並べるストリートが何本も交差している。当然縁起を何より担ぐ香港のお婆ちゃん、お爺ちゃんたちはこの地区を嫌がる。しかしながら家賃が他の地区よりやや安めなので安めの家賃を求めてくる人、最近は南アジア系の人々が増えている。

大きな道路を挟んだ向こう側には新しいマンションが次々と建っているのに、この骨壺と棺桶屋が軒を並べる地区には今風のこじゃれたマンションが建ったというのは聞いたことが無い。

ある日、おしゃれなカフェなんて絶対にありえないあの棺桶&骨壺街に遂にカフェが出現したという話を聞いた。

信じられない、これは実際に見に行くしかない!

数年ぶりに葬儀用品地区に足を踏み入れたが、やっぱりこの辺りは独特な空気が漂っている。コロナがピークの時、香港は一日に最高5万5千人の患者が出て数百人が亡くなったこともあった、棺桶の数が底をつき全く足りないという事態に陥った。コロナが終った今、棺桶屋には棺桶がずらーっと並んでいる。棺桶屋に陳列されている棺桶は日本の長方形の薄目の木箱と違って、吸血鬼ドラキュラが眠るようながっしりとした重厚感のある角ばった形がメインだ。

newsweekjp_20241226004818.jpgPixabay

骨壺屋のガラス越しに従業員が『イエーイ、イエーイ』と大声を発しながら麻雀をしている姿が見えた。なんという光景だ。こういう所がエネルギッシュな香港だ。

newsweekjp_20241226005101.jpg(筆者撮影)

"まだ知らない香港"を求めているリピーターに響くカフェ

newsweekjp_20241226005231.jpg(筆者撮影)

さてお目当てのカフェにたどり着いた。葬式用品街の中に突如現れたこじゃれたマンション。カフェはマンションの一階にある。感じの良いスタッフが出迎えてくれ、一歩足を踏み入れたらそこはおしゃれなカフェを求めてくる人たちが集う空間だ。

newsweekjp_20241226005438.jpg(筆者撮影)

窓側の席に座ってパスタとコーヒーとティラミスを注文。
ペパーミントの窓から目に入る広東語の看板がおしゃれに見える。ずーっと長居をしたくなるほど居心地が良い。
パスタは1600円~2800円。ケーキ類は1000円前後。おしゃれ系の飲食店での食事が日本より数段高い香港では普通の値段である。

newsweekjp_20241226005746.jpg(筆者撮影)

オーナーさんの好みのビンテージ品の飾りつけも好感が持てる。
昔から日本人の海外旅行先として人気のある香港。円高で海外旅行者数がかなり減ってきてはいるけれど、一度香港に来て香港の魅力にとりつかれた人は必ず戻って来る。それが香港。リピーターさんは土地勘もだいぶ備わっているし、新しいものを常に発見したがっている。次の香港旅行ではこんな変わった地区探索はいかが? 絶対にガイドブックには載らない一角だから。

<店舗情報>
店名:BADGERS CAFÉ
住所:Shop B, G/F, Baker Residences, 8 Baker Court, Hung Hom
Openrice (香港のグルナビのようなサイト)のURL:
https://www.openrice.com/en/hongkong/r-badgers-cafe-hung-hom-western-all-day-breakfast-r795624

 

Profile

著者プロフィール
マリエ

香港在住の雑貨が大好きなフォトグラファー。大学卒業後、自動車会社、政府機関、外資企業にて広報担当。夫の転勤で香港に移住後、カメラに興味を持ち、日本人、外国人フォトグラファーに師事。現在、雑貨を可愛く撮るカメラ教室「Zakka Styling」を主宰。同時に家族写真、ロケーションフォトの依頼もこなす日々。インスタグラムはこちら

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