最新記事

バチカン

バチカンが認めた「隠し子」マニュアルの存在

2019年05月23日(木)18時25分
カラム・ペイトン

性的虐待スキャンダルに続き、今度は隠し子問題 MUHAMMAD HAMEDーREUTERS

バチカンのカトリック教会を、再びスキャンダルが襲った。独身を誓ったはずの神父が子供を儲けた場合の対応について、秘密のガイドラインが存在してい ることを教会側が認めたのだ。

ガイドラインの存在は、自身の生物学的な父親が神父であると知った、アイルランド人男性のビンセント・ドイルによって明かされた。心理療法士である ドイルは、自分のような神父の子供を助けるための支援組織を立ち上げた。そのドイルに、ある大司教がこのガイドラインを見せてきたという。この話を報 じるに当たってニューヨーク・ タイムズ紙がカトリック教会に問い合わせたところ、教会側は内部文書として確かに存在すると回答した。

ガイドラインが呼ぶところの「聖職者の子供たち」には、神父と一般の女性もしくは修道女の間に生まれた子供もいれば、 レイプや性暴力の結果生まれた子供もいるが、その推定数すら明らかになっていない。ガイド ラインは聖職者に対して教会を離れ、「他人を排して」子供を世話することを求めている。

【参考記事】避妊薬の服用法にバチカンへの「忖度」があった!?
【参考記事】ローマ法王が中国と握手して「悪魔の取引」を結ぶ日
【参考記事】バチカンNo.3の「聖人」、性的虐待で起訴 
【参考記事】カトリック教会に盾突いた記者魂


20190528cover-200.jpg
※5月28日号(5月21日発売)は「ニュースを読み解く哲学超入門」特集。フーコー×監視社会、アーレント×SNS、ヘーゲル×米中対立、J.S.ミル×移民――。AIもビッグデータも解答不能な難問を、あの哲学者ならこう考える。内田樹、萱野稔人、仲正昌樹、清水真木といった気鋭の専門家が執筆。『武器になる哲学』著者、山口周によるブックガイド「ビジネスに効く新『知の古典』」も収録した。


[2019年3月 5日号掲載]

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:ウクライナ巡り市民が告発し合うロシア、「密告

ワールド

台湾総統、太平洋3カ国訪問へ 米立ち寄り先の詳細は

ワールド

IAEA理事会、イランに協力改善求める決議採択

ワールド

中国、二国間貿易推進へ米国と対話する用意ある=商務
あわせて読みたい

RANKING

  • 1

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 2

    【ヨルダン王室】世界がうっとり、ラジワ皇太子妃の…

  • 3

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 4

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 5

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 1

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 2

    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…

  • 3

    キャサリン妃が「涙ぐむ姿」が話題に...今年初めて「…

  • 4

    アジア系男性は「恋愛の序列の最下層」──リアルもオ…

  • 5

    残忍非道な児童虐待──「すべてを奪われた子供」ルイ1…

  • 1

    「家族は見た目も、心も冷たい」と語る、ヘンリー王…

  • 2

    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が出産後初めて公の場へ...…

  • 4

    カミラ王妃はなぜ、いきなり泣き出したのか?...「笑…

  • 5

    キャサリン妃が「大胆な質問」に爆笑する姿が話題に.…

MAGAZINE

LATEST ISSUE

特集:超解説 トランプ2.0

特集:超解説 トランプ2.0

2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること