コラム

2022年米国連邦議会中間選挙を左右する、意図的な選挙区割り「ゲリマンダー」

2021年10月12日(火)17時38分

超党派の選挙区割り委員会が線引きを決める州も存在しており、現状では選挙区調整の最終結果が出ていないために正確な論評を行うことはできないが、共和党がゲリマンダー合戦において全体的に有利な状況にあると言えるだろう。

実際、2020年下院議員選挙は民主党220議席・共和党212議席の8議席差であるため、共和党に有利なゲリマンダーが行われることで、2022年連邦議会中間選挙では2020年と全く同じ各党の獲得票数であったとしても共和党勝利となるだろう。

また、ゲリマンダーが進展することは、特定の党派に偏った選挙区が増加することを意味する。その結果として、偏ったイデオロギーの選挙区民の意向に沿った連邦議員が選ばれてくることになる。各候補者がより過激な言動を行うほど資金も票も集まる傾向に拍車がかかり、米国の分断は更に促進されていくことになる。

ホワイトハウスは党派色が強まる連邦議会との対峙を今後も余儀なくされ続けることになるだろう。そして、仮に民主党が下院を失った場合、バイデン大統領のレイムダック化と米国政治の麻痺は一気に進むことになる。世界の政治潮流を静かに左右する米国連邦議会中間選挙は既に始まっている。

プロフィール

渡瀬 裕哉

国際政治アナリスト、早稲田大学招聘研究員
1981年生まれ。早稲田大学大学院公共経営研究科修了。 機関投資家・ヘッジファンド等のプロフェッショナルな投資家向けの米国政治の講師として活躍。日米間のビジネスサポートに取り組み、米国共和党保守派と深い関係を有することからTokyo Tea Partyを創設。全米の保守派指導者が集うFREEPACにおいて日本人初の来賓となった。主な著作は『日本人の知らないトランプ再選のシナリオ』(産学社)、『トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体』(祥伝社)、『なぜ、成熟した民主主義は分断を生み出すのか』(すばる舎)、『メディアが絶対に知らない2020年の米国と日本』(PHP新書)、『2020年大統領選挙後の世界と日本 ”トランプorバイデン”アメリカの選択』(すばる舎)

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